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<増税再延期>被災地首長 復興財源の確保不安視

 安倍晋三首相が消費税増税の再延期を表明した1日、東日本大震災で被災した東北の自治体の首長は、「復興はまだ途上。被災者にとっても自治体にとっても歓迎だ」などとおおむね評価した。東京電力福島第1原発事故からの復興や社会保障の財源確保への影響を懸念する声もあり、「国の責任で対応してほしい」との注文も出た。
 野田武則釜石市長は「復興需要は今後下り坂になる。増税による消費の低迷が重なれば、地域経済にとって大きな打撃になる」と延期を好意的に受け止め、「復興事業に影響は出ない」との見方を示した。
 「景気が上向いている実感が少ない地方の実情を考慮した判断だろう」と推し量るのは阿部秀保東松島市長。「建設資材が高騰する中、今後住宅を再建する市民は負担が少し減り、ひと安心だと思う」と語った。
 菅原茂気仙沼市長も「復興がまだまだ途上にある中、税率据え置きを基本的に歓迎したい」と話した。
 財政再建が遠のくことになるため、福島第1原発事故に伴う復興に長い時間がかかる福島県では、継続的な復興財源の確保を不安視する声が上がる。
 菅野典雄飯舘村長は「国の借金は約1000兆円。代替策を示さなければ、財政不安が残る。その意味では、原発被災地の復興に影響しかねない」と指摘。「自治体が自立できるように自由度の高い交付金を捻出してほしい」と注文した。
 復興後を見据え、増税分が充てられる見込みだった社会保障政策に対する要望も相次いだ。
 奥山恵美子仙台市長は「延期は国民の合意を得ることが大切。子育て支援制度の推進などに影響を及ぼさないよう、国の責任による財源確保を強く求めたい」とくぎを刺した。
 村井嘉浩宮城県知事は「喫緊の課題である社会保障の充実と財政健全化に向け、しっかり対応してほしい」と述べた。


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2016年06月02日木曜日


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