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<増税再延期>経済界 被災地負担減る

 安倍晋三首相が消費税率引き上げの再延期を正式に表明した1日、東北の経済界には歓迎と懸念の声が交錯した。東日本大震災からの復興途上にある被災地の経済団体は「負担感が減る」と好意的に受け止めた一方、社会保障費の財源確保や財政健全化への影響を憂慮する見方も広がった。
 津波被害を受けた大船渡商工会議所(大船渡市)の斉藤俊明会頭は「被災地としてはありがたい。工場や店舗を新築する際に、消費税率2%の差はだいぶ負担が違ってくる」と再延期を歓迎した。
 復興需要が徐々に縮小し、岩手県沿岸部では人口減も進む。斉藤会頭は「復興が完全に終わった後の極端な落ち込みが一番心配だ。(アベノミクスで)地方の実体経済が良くなった実感はなく、具体的な成長戦略が必要だ」と訴えた。
 東北経済連合会の高橋宏明会長は「円高・株安基調や熊本地震の影響もあり、再増税による景気の腰折れリスクは高まっている」との談話を発表。増税先送りの判断は「やむを得ない」と冷静に受け止めた。
 「目先の痛みより将来の社会福祉を優先して考えるべきだ」と増税延期に疑問を投げ掛けたのは、仙台経済同友会の大山健太郎代表幹事。安倍首相が世界経済の悪化を再延期の理由の一つにしたことについて「国内景気は順調で企業業績も好調。今を逃すと(再延期した)2年半後も先送りをせざるを得なくなる」と批判した。
 七十七銀行の氏家照彦頭取は「増税延期は、当面の宮城県内経済の安定成長にはプラスに働くと思われる」とのコメントを出した。財政健全化の必要性にも触れ「いずれは2%の増税分を乗り越えられる経済の動きにすることが重要だ。新しい需要を喚起する規制緩和などの成長戦略を着実に進めてほしい」と求めた。


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2016年06月02日木曜日


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