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<奔流乱流1強政治>狂騒収束 仕切り直し

伊勢志摩サミット(右上)と盛岡市であった自民党衆院議員の決起集会(右下)、結束を強調する青森県の野党幹部(左下)のコラージュ。左上は原爆ドーム

◎参院選東北(上)消えた同日選

 現実になれば30年ぶりの衆参同日選だった。1強が仕掛けた「大政局」は、思惑とともに揺れた。
 国土交通副大臣の自民党現職土井亨(衆院宮城1区)は1日夕、国会から戻った仙台市内で天を仰いだ。既に選挙事務所を決め、ポスターの段取りも進めたが、陣構えを撤収した。
 「どちらになっても良かったのだが…。首相は参院選単独でも十分勝てると踏んだのだろう」と土井。臨戦モードから解き放たれた議員の胸中は複雑だ。

<サミット前再燃>
 4月の熊本地震でいったん消えかかった同日選の種火は、5月下旬の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)を前に再燃した。
 首相安倍晋三が世界経済の成長を導く道筋を示し、米大統領オバマと広島・原爆ドーム前で核廃絶を誓う。余勢を駆って消費税増税を延期、衆院解散を断行−。そんなシナリオを永田町の住人たちは信じた。
 5月29日、盛岡市であった自民党現職高橋比奈子(比例東北)の集会で地方創生担当相石破茂はあおった。「会期末解散は過去に何度もある。準備が足らないようでは駄目だ」
 周囲の狂騒をよそに「伝家の宝刀」はさやに収まったまま。「解散が頭をかすめたのは事実。参院選で信を問う」。国会閉幕後の1日夕、安倍はカメラの放列に向かって表明した。
 連立を組む公明党は、解散回避で一息ついた。同日選となれば衆参の選挙区、比例代表で投票用紙が計4枚。関係者は、支持母体・創価学会の会員に指示通りに投票させるのは至難の業だと悩んでいた。
 公明党秋田県本部の代表田口聡は「有権者が混乱する恐れがあった。対応が明快になる」と、安倍の判断に賛辞を惜しまない。

<候補擁立に走る>
 参院選の1人区で共闘態勢を組み、選挙戦に挑む野党。一方で衆院小選挙区は候補擁立が遅れ、協力関係はできていない。各党は解散風に振り回された。
 「急いで空白区を埋めろ」。民進党国対委員長の安住淳(宮城5区)は春先、全国に大号令を掛けた。東北の各県連も、急ごしらえの候補者擁立に走った。
 5月中旬、宮城3区の公認候補者に決まった元会社員の新人一條芳弘は表明直後から連日、支持者回りや街頭演説を繰り返し、売り込みを図ってきた。
 「私は無名。支持基盤の厚い現職の参院議員と連動できれば有利だったかも」。肩透かしを食らった悔しさをにじませる一條。県連幹部は「衆院は与党が圧倒的有利。足場固めの期間ができた」と前向きに捉える。
 各党は単独の参院選へ、改めてギアを入れ直した。直前の同日選回避がどう作用するか、強気の見立てでエンジンを全開にする。
 自民党山形県連の幹事長金沢忠一が「同日選ありきの警戒感がプラスに働いてきた」と手応えをのぞかせれば、民進党宮城県連の幹事長郡和子(比例東北)も「野党共闘で一丸となって戦える」と自信を見せる。(敬称略)

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 第190通常国会が閉会し、参院選は22日公示、7月10日投開票の日程が確定した。衆院解散の見送り、消費税率引き上げの再延期に翻弄(ほんろう)されながら、事実上の選挙戦に突入した各党の動静を追った。(参院選取材班)


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2016年06月04日土曜日


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