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<奔流乱流1強政治>問われる増税再延期

仙台市であった市民団体の集会(右下)と立候補予定者(左下)。上段は国会議事堂と伊勢志摩サミットで示された経済データのコラージュ

◎参院選東北(下)夏決戦本番へ

 「景気回復、この道しかない」と連呼し、自民党が圧勝した衆院選から1年半。「この道」が、再び参院選の俎上(そじょう)に載せられた。
 通常国会閉幕から2日後の3日、首相安倍晋三は改選数が2から1に減る激戦区福島を最初の遊説先に選び、苦境に立つ現職閣僚のてこ入れに乗り出した。
 福島選挙区は4選を目指す法相の自民党現職岩城光英と、3選に挑む民進党現職増子輝彦による事実上の一騎打ち。岩城は過去3回あった増子との対決で、いずれも後塵(こうじん)を拝してきた。
 「この道を力強く前に進むのか、4年前の日本が沈没した時代に戻すのかを決める選挙だ」。安倍は郡山市のJR郡山駅前に立ち、約1000人の支持者らに、語気強く選択を迫った。

<デフレ脱却停滞>
 今回も自らが主導してきた経済政策アベノミクスを前面に掲げ、「最大限にふかす」と突っ走る。
 消費税率引き上げの再延期を受け、選挙戦へと向かう今回の参院選。アベノミクスを取り巻く経済環境は、以前と様変わりした。
 目指したデフレ脱却は停滞し、個人消費は低迷が続く。今年2月にマイナス金利を導入した直後には株安と円高が進行。直近の世論調査では6割近くがアベノミクスに否定的な見解を示した。「この道」の評価には陰りが見える。
 「日本経済の現状は厳しい。アベノミクスは完全に破綻した。もともと中身はなく、国民所得が減る結果を招いた」。国会で1日、取材に応じた生活の党共同代表の小沢一郎(衆院岩手4区)は、痛烈な批判を展開した。

<公約撤回を攻撃>
 消費税率引き上げを巡って「再び延期することはない」(2014年11月)との公約を撤回した安倍政権に、野党はスクラムを組んで攻撃の矢を向ける。
 民進、共産、社民各党の秋田県組織と市民団体は2日、秋田市内で4者協議を開き、秋田選挙区(改選数1)に立候補する野党統一候補への支援を協議し、公示への準備を加速させた。
 民進党県連政調会長の沼谷純は「再延期する2年半、どう財源を確保するのか疑問だ。重い課題として有権者に訴える」と話す。
 本番に臨む自民党の各陣営は、アベノミクスがうたうバラ色の未来と、消費税率アップを見送らざるを得なかった厳しい経済情勢という矛盾を抱える。
 仙台市青葉区のホテルで2日夜にあった建設業関連団体の懇親会。宮城選挙区(改選数1)で再選に挑む現職と共に、元防衛相小野寺五典(衆院宮城6区)が会場に駆け付けた。
 「高台移転などこれから住宅再建が本格化する被災地は、むしろ胸をなで下ろしている」とあいさつした小野寺。東日本大震災からの復興を持ち出しながら、与党のかじ取りに理解を求める。(敬称略)


2016年06月05日日曜日


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