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<寿限無亭>被災者癒やす交流拠点

「寿限無亭」は標高約200メートルの高台にある。ウッドデッキからは広田半島や唐桑半島まで見渡せる

 岩手県大船渡湾を一望できる岩手県大船渡市の高台に、ログハウス「寿限無(じゅげむ)亭」は立つ。東日本大震災で交流拠点が失われた地域で、冒険心もくすぐる施設は多くの人を呼び込んでいる。
 平屋で広さは50平方メートルほど。厨房(ちゅうぼう)や暖炉を備える。地元中学を卒業し、50代後半に差し掛かっていた十数人が1999年、「自分たちの遊び場が欲しい」と建築に取り掛かった。
 交代で作業を進め、数年がかりで完成。「限りなく寿(ひさ)しい」を意味する言葉を用いた名称に、施設への思いを込めた。
 「最初のうちは飲み会などを盛んに開いた」とメンバーの一人で、今は「管理人」の役回りをこなす佐藤勝哉さん(73)。徐々に仲間の足は遠のいてしまったが、震災が転機になった。
 公民館などが被災し、活動場所を失った団体から利用の依頼が舞い込んだ。企業や家族連れからも予約が入り、山遊びなどを楽しんでいる。
 「皆に喜んでもらえるのがうれしい」と佐藤さん。海風が吹き込むログハウスに、交流の息吹も芽生えている。(写真部・岩野一英)

[メモ]寿限無亭の所在地は大船渡市大船渡町鷹頭20。利用は無料。不定休で事前連絡が必要。連絡先は佐藤さん090(5231)1753。


2016年06月06日月曜日


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