山形のニュース

<参院選山形>TPP巡り 農業票の行方混沌

自主投票を決めた会合後、記者会見する県農政連の高谷会長(左)=5月30日、山形市のJAビル

 山形県農協政治連盟(農政連)が自主投票を決めた参院選山形選挙区(改選数1)で、自民党新人の元全農県本部副本部長月野薫氏(61)=公明推薦=と無所属の元議員舟山康江氏(50)=民進・社民推薦=が、単位農協を舞台に推薦獲得の攻防を繰り広げている。争点の一つとなる環太平洋連携協定(TPP)への対応を巡り、容認と反対という相反する立場を掲げる両氏を同時に推薦する単協も多く、農業票の行方は混沌(こんとん)としている。
 農協関係者らによると、6日現在、県内17農協のうち、山形、天童、真室川、金山の4農協が、月野、舟山両氏の推薦を決定。みちのく村山農協は月野氏のみに推薦状を出した。
 両氏を推薦した村山地方の農協の組合長は「政府のTPP交渉に不信や不満はあるが、政権与党と対立する訳にもいかない」と打ち明ける。
 5農協以外の大半の単協も、両候補を推薦するか、どちらも支援しない「中立の立場」を選ぶと、多くの農協関係者は見込む。
 月野氏はTPPを契機に農産物の輸出拡大を図る「攻めの農業」を主張するのに対し、舟山氏は地域農業を守る立場から反対を訴える。
 農業が主産業の山形県ではTPPへの対応がこれまでも大きな争点となってきた。2013年の前回参院選で、県農政連は自民党候補の要請を断り、TPP反対を訴えた当時みどりの風現職の舟山氏を推薦。自民党と関係がこじれた経緯がある。14年4月に両者は和解に至ったとされるが、農協側には政府のTPP対応に不満が募っている。
 「熟慮に熟慮を重ね、自主投票を決定した」。5月30日、農政連の高谷尚市会長は険しい表情で記者会見に臨んだ。農協グループ出身で「身内」とも言える月野氏に推薦状を出さなかった理由について「組合員から政府のTPPに対して不安や不満の声もある」と説明した。
 両陣営に推薦を出す単協が相次ぐ現状について、自民党県連の金沢忠一幹事長は「地域事情もあり、旗幟(きし)鮮明にできない単協はあるはず。農業振興の実現に政権与党との連携が欠かせないことを丁寧に説明したい」と述べた。
 舟山氏の選対を構成する民進党県連の吉村和武幹事長は「単協への推薦要請と同時に、農家一人一人にも政策を訴えていく」と話している。
 山形選挙区では、ほかに幸福実現党新人の城取良太氏(39)も立候補する。


2016年06月07日火曜日


先頭に戻る