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<クマ出没>秋田死亡事故 同じオスの仕業か

死亡事故が相次ぎ、通行止めになった林道=6日午前7時25分、鹿角市十和田大湯

 秋田県鹿角市十和田大湯の山林で5月下旬、タケノコ採りの男性がツキノワグマに襲われて死亡する事故が3件相次いだ。専門家は同じクマによるものとみており、さらに人間を襲う可能性があると警告する。タケノコ採りが最盛期を迎える中、秋田県などは入山を控えるよう呼び掛けるが、効果はない。県は鉄製のおりを設置して捕獲しようとするなど対策に躍起だ。
 「傷の程度などから判断すると、全て同一の個体の仕業で、3、4歳の若いオスだろう」。NPO法人「日本ツキノワグマ研究所」(広島県廿日市市)の米田(まいた)一彦理事長(68)=十和田市出身=は、5月31日と今月1日に現場付近を調査して、そう結論付けた。
 クマは今の時季、タケノコを餌にしている。現場では耕作地沿いに笹やぶが密生している。米田さんは、耕作地にクマの足跡がないことから、やぶの中を移動していると推測。タケノコを求めて北側に移った可能性もあるとみる。
 県自然保護課によると、県内のクマによる死亡事故は1979〜2015年で計8件。発生した年はいずれも年間の発生件数が1件のみで、山菜採りの時季の5〜7月に集中している。県内で年間3人が死亡したのは、記録のある79年以降で初めてという「異常事態」(県自然保護課)だ。
 県は相次ぐ事故を受け、地元猟友会とクマの駆除を協議した。だが現場は平地で笹やぶに覆われているため、人を誤射する可能性があるとして断念。5月下旬に鉄製のおりを設置した。県自然保護課の担当者は「現状ではおりで捕獲するしか方法はない」と語る。
 東北森林管理局(秋田市)は今月1日、現場に通じる林道1カ所を封鎖した。同管理局保全課の担当者は「クマのために林道を規制するのは聞いたことがない」と話す。
 米田さんによると、人間を一度襲ったクマは、人間を恐れなくなる。「遭遇すれば、再び襲う可能性がある。従来のクマとは次元が異なり、大変危険だ」と警鐘を鳴らす。


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2016年06月08日水曜日


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