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<宮城県議長辞任>欠けた資質 会派にも責任

会見の途中、うつろな表情で水を飲む県議会の安部孝議長=8日正午ごろ、仙台市青葉区の宮城県議会

 【解説】安部孝宮城県議会議長の政務活動費(政活費)を巡る不正支出問題の発覚から4カ月。現職議長が3度の監査請求を突き付けられ、詐欺容疑で告発された異常事態は、ひとまず節目を迎えた。地方自治に対する不信感を増幅させ、議会の権威を失墜させた責任は極めて重い。
 問題が表面化したのは2月上旬。宮城選挙区(松島、利府町)にもかかわらず、内縁関係の女性(当時)が仙台市内に所有する建物に構えた仙台事務所への支出など、仙台市民オンブズマンが指摘した監査請求の総額は約1200万円に達した。
 疑惑にまみれながら地位にしがみついた安部氏には、税金の使途を審査する議会トップの資質が欠けていた。議長に担いだ会派「自民党・県民会議」も責任の重さをかみしめるべきだろう。
 宮城県議会では第1会派の自民党が、長く議長ポストを握ってきた。当選回数をベースに半ば順送りを続け、昨年11月の議長選では唯一、当選回数5回(補選当選を除く)の安部氏に一本化した経緯がある。
 安部氏の仙台事務所を巡っては「問題になるという懸念はあった」(ベテラン議員)。ただ議長選びでは、慣例を超える選択肢はなかったという。政治とカネに鈍感な議長を生んだ背景には、資質よりも、会派の論理を優先する旧態依然とした風土が根底にある。
 議員提案による条例制定など、かつて宮城県議会は議会改革のトップランナーと言われた。信頼が地に落ちた今、原点から再出発する必要がある。強い意志で、再生をけん引するリーダーが不可欠だ。(報道部・大橋大介)
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 宮城県議会議長の安部孝自民党県議(60)=宮城選挙区=による政務活動費(政活費)の不正支出問題で、議長職の辞意を固めていた安部氏は8日、正式に辞任を表明し、議長辞職願を長谷川洋一副議長に提出した。15日開会する県議会6月定例会で許可される見通し。安部氏は就任から約半年で退任に追い込まれた。


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2016年06月09日木曜日


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