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<震災5年3カ月>住宅再建未定2610世帯

 東日本大震災に伴う仮設住宅の入居世帯のうち退去後の居住先が決まっていないのは岩手、宮城両県で2610世帯と全体の約10%に上ることが9日、河北新報社の調べで分かった。11日で震災から5年3カ月となり、意向が未定の人は減っているが、制度のはざまで再建の青写真を描けない被災者が依然として多い実態が浮き彫りになった。
 みなし仮設住宅を含む入居者を対象に市町村が行った住宅再建意向調査の最新データを集計した。「未定」と答えた世帯数と割合は表の通り。原発事故で復興が長引く福島県は除いた。

<多賀城ゼロに>
 宮城県では、1月末時点の県のまとめより約411世帯減った。60世帯だった多賀城市はゼロに。仙台市が97世帯、亘理町が30世帯それぞれ減少した。3市町のプレハブ仮設は2016年度から18年度にかけて使用期限を順次迎えるため、居住先を決めた人が増えたとみられる。
 最大被災地の石巻市は100世帯減の1119世帯となったが依然として最多。一部の災害公営住宅や防災集団移転先用地の完成が当初予定よりずれ込んでいることも一因とみられる。
 気仙沼市は112世帯減り150世帯。仮設入居前に住んでいた借家が半壊以上でも取り壊されずに修復され、災害公営住宅の入居要件を満たさなくなったケースもある。市は「大家から退去を迫られた場合は災害公営住宅への入居を認める」と裁量による対応を周知する。
 塩釜、名取、東松島、女川、南三陸の5市町は「調査中」などとして、1月末時点から更新していない。

<岩手・大槌は222>
 岩手県は市町村ごとの世帯数を公表していない。各市町によると、大槌町は約2100世帯のうち222世帯が未定や無回答だった。宮古市は866世帯中130〜140世帯の再建方針が決まっていない。
 大船渡市で約1100世帯のうち70世帯が未定、釜石市で2370世帯中75世帯が未定や無回答。陸前高田市で調査に応じた1505世帯のうち12世帯が未定と答えた。
 岩手県の内陸避難者1436世帯への調査では、回答した821世帯のうち168世帯が未定と答えた。
 仮設住宅退去後の居住先が未定の被災者が多い自治体は、仮設供与期間の延長措置を取っている。
 宮城では石巻、名取、女川3市町が一律に1年延長して入居などから7年間とした。気仙沼など6市町は転居先の完成が遅れ転居できない入居者を対象に7年目の1年間を特定延長する。岩手では釜石、大船渡、陸前高田、山田、大槌の5市町が18年夏まで1年間、一律延長する。宮古市は18年夏まで特定延長する。


2016年06月10日金曜日


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