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<参院選東北>与党 影の総理の威光にすがる

「野党と大激戦だ」と語り、古里で結束を呼び掛ける菅氏=12日、秋田市

 参院選(22日公示、7月10日投開票)を目前に控え、菅義偉官房長官(67)=秋田県湯沢市出身=が東北の与党陣営のてこ入れに動きだした。東北の各選挙区は全国的に見ても激戦模様になっている。「影の総理」の異名を持つ菅氏が利かせるにらみは「支持層固めに効果抜群」(党関係者)と受け止められ、威光にすがる陣営は多い。
 12日に秋田市入りした菅氏。首相官邸での記者会見と同じ鋭い眼光が、居並ぶ地方組織の幹部を射抜いた。
 「総理と私には逐次、党から情勢が来る。秋田は『楽ではない選挙』ではない。厳しい選挙だ」。秋田選挙区(改選数1)で再選を期す自民党現職の総決起大会で引き締めを図った。
 「私の大事な古里の1議席を守ってほしい」と菅氏が声を張り上げると、万雷の拍手が湧いた。「公示後も来る」と言い残して帰京した後ろ姿に、現職は頭を下げ続けた。
 菅氏は秋田で立志伝中の人として知られる。旧雄勝町の農家に生まれ、高校卒業後に上京。働きながら勉強して大学に入り、卒業後に国会議員秘書を務めた。
 横浜市議を経て、1996年衆院議員に当選。政府中枢を掌握する権力者に上り詰めた。「安倍1強」の立役者は、7月6日に長官在職日数が歴代1位の1289日に達する。
 「陳情に行けば必ず予算が付く。これほど頼りになる政治家はいない」。自民党ベテラン県議の一人は菅氏をたたえる。県選出国会議員も「菅氏とのパイプは地元有権者への大きなアピールポイントだ」と語る。
 菅氏は東北での独自のチャンネルも駆使する。6月上旬、日本のこころを大切にする党の宮城県代表中野正志参院議員に懇願した。「中ちゃん頼む。宮城に行くから演説会開いてくれ。自民が底力を発揮できていない」
 菅氏は、元自民党衆院議員の中野氏と初当選同期組。宮城選挙区(改選数1)の自民党現職を推薦する他党の旧知を使い、「最重点区」の支持固めを狙う。
 公示後の7月上旬、仙台市で各業界関係者らを集めた演説会の開催が決まり、菅氏が駆け付ける予定だ。中野氏は「出身地東北の情勢が気になるのだろう。協力は惜しまない」と話す。


2016年06月15日水曜日


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