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<適少社会>住み続けることが大切

[きくち・としみつ]東京都青ケ島村生まれ。都立荒川商高定時制卒。帰島後に建設会社を創業。村議3期、村議会議長を経て4期目。63歳。

◎菊池利光村長に聞く
 人口減への危機感は強い。子どもが毎年1、2人生まれてほしいが難しい。高校がなく、子どもが中学を卒業すると家族一緒に島を出るケースがある。島外の介護施設、病院に入る高齢者も多い。この二つが人口減の大きな要因だ。
 素晴らしい産業はない。遠隔地の離島で輸送手段が乏しい。経費も掛かる。観光に期待している。二重カルデラの独特な風景と美しい星空を目当てに、少なかった観光客が増えている。交通手段と宿泊施設が充実すれば将来性がある。他島のようにダイビングやクジラウオッチングができる自然環境もある。
 村民は国境の離島を守っている。誇りがある。島は小さいが、周囲には広大な排他的経済水域がある。尖閣も無人島にしなければ何の問題もなかった。国土は住み続け、利用し続けることが大切。過疎地に経費を掛けない発想はおかしい。
 昭和40年代初め、人口減で村の存続が危ぶまれた。島の学校の先生が卒業生に「島を何とかしよう」と手紙で呼び掛け、持ち直した経緯がある。今も島出身者の古里への愛着は強い。火山島の地熱を生かした産業創出に力を入れ、Uターンしやすい環境を整えたい。
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 日本で一番人口の少ない自治体、東京都青ケ島村は最も近い八丈島から71キロ離れた絶海の孤島だ。現在は1日1便のヘリコプターと週4便の船が八丈島との間を結ぶが、1972年までは月1便の船しかなく、海が荒れて数カ月、寄港が途絶えることが珍しくなかったという。無線電話が通じたのは56年。その年の参院選までは国政、都政の選挙に投票できなかった。江戸時代後期には噴火で八丈島に全島避難し、約40年後に帰還した歴史もある。人々は困難を越え、今も島に住み続ける。


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2016年06月15日水曜日


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