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<適少社会>13種の焼酎10人が醸す

港に防波堤はない。漁船は崖の上の置き場所からクレーンで降りてくる

 特産のサツマイモを原料にした焼酎「あおちゅう」が製造されている。交通不便な遠隔地の青ケ島には田んぼがなく、主食だったサツマイモの余りを使った焼酎造りが各家庭で行われてきた。長らく「密造酒状態」だったが、1984年に青ケ島酒造合資会社を設立し、商品化が実現した。
 10人の杜氏(とうじ)がそれぞれの流儀で酒を醸す。年間生産量は35〜40キロリットルという。麦焼酎を造る人もあり、13種類を販売する。杜氏の奥山晃さん(55)は「効率は悪いが、私は昔通りの自然のこうじと芋、水を一度に入れる丼仕込みを守っている。高齢で後継者のいない杜氏は3人いる」と言う。
 2013年の都統計で農業生産額が最も高いのはトウガラシとサツマイモで700万円。他には切り葉栽培や和牛の繁殖などが行われている。島の周囲は断崖絶壁で防波堤のある港がないため、漁業は盛んではない。村によると、農家、漁家とも専業はいない。
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 日本で一番人口の少ない自治体、東京都青ケ島村は最も近い八丈島から71キロ離れた絶海の孤島だ。現在は1日1便のヘリコプターと週4便の船が八丈島との間を結ぶが、1972年までは月1便の船しかなく、海が荒れて数カ月、寄港が途絶えることが珍しくなかったという。無線電話が通じたのは56年。その年の参院選までは国政、都政の選挙に投票できなかった。江戸時代後期には噴火で八丈島に全島避難し、約40年後に帰還した歴史もある。人々は困難を越え、今も島に住み続ける。


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2016年06月15日水曜日


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