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<適少社会>都が医師派遣1人常駐

 村営診療所に都が自治医大卒業の医師を1人派遣する。歯科医師は月に2回、5日間ずつ来島して診療する。緊急時は東京消防庁のヘリコプターが飛来する。
 医師の室屋洋平さん(37)は昨年4月に赴任した。外来患者は1日4、5人。「診察に時間をかけられる。住民は全員顔見知り。普段から体調を何となくマークできるので、重症化する前に島外の病院に送れる」。採血、エックス線、超音波などの基本設備は整い、画像伝送などで本土の病院と連携して診療する。
 1962年に診療所ができるまでは無医村ゆえの悲劇が多かった。広江彦一さん(71)は「小学校入学直前の弟が盲腸で『痛い痛い』と言って死んだ」と涙ぐむ。まぶたの傷が化膿(かのう)して1歳の弟を亡くした佐々木宏さん(71)は「今なら何でもないけが。医療は島の生命線だ」と強調する。
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 日本で一番人口の少ない自治体、東京都青ケ島村は最も近い八丈島から71キロ離れた絶海の孤島だ。現在は1日1便のヘリコプターと週4便の船が八丈島との間を結ぶが、1972年までは月1便の船しかなく、海が荒れて数カ月、寄港が途絶えることが珍しくなかったという。無線電話が通じたのは56年。その年の参院選までは国政、都政の選挙に投票できなかった。江戸時代後期には噴火で八丈島に全島避難し、約40年後に帰還した歴史もある。人々は困難を越え、今も島に住み続ける。


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2016年06月15日水曜日


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