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<Bリーグ>川淵会長「クラブ育て地域貢献」

日本バスケットボール協会の川淵三郎会長

 バスケットボール男子の国内最高峰、Bリーグが15日、開幕の9月22日まで100日を切った。2005年に日本協会とたもとを分かちプロ化に踏み切ったTKbjリーグと、企業チームが主体のナショナルリーグ(NBL)が大同団結。11年間かなわなかった統一を実現したのは外部から招聘(しょうへい)された日本協会の川淵三郎会長だ。サッカー、Jリーグの初代チェアマンを務めた経験を基に大なたを振るった。近く会長職を退くのを前に、新リーグ、日本バスケットボール界の課題や展望などを都内で語ってもらった。(聞き手はスポーツ部長・日下三男)

◎日本代表の強化に道筋

<長い目が大事に>
 何とか二つのリーグを一緒にすることができた。随分、bjの方たちにはきついことも言った。何しろBリーグ1部(B1)に入るためのハードルが高く、ついには地域虐待とまで言われた。
 B1資格で最初に打ち出した条件はホームアリーナが観客収容5000人以上、年間売り上げ2億5000万円以上。厳しかったかもしれない。でも、オレは思うんだ。東北の秋田や青森、盛岡の人たちが冬に室内でバスケットができたら、日本中の注目を浴びるし、これはもうけたと思わないといけないんじゃないか。
 長い目でクラブを育てることが大事だ。10年、20年をかけて、いつもホームアリーナに詰め掛けて応援してくれるようなクラブにしたい。地域が喜んでくれれば、こちらも地域に貢献したことになる。
 これまでbjのクラブは(クリニックなどで)レギュラー選手が子どもに教えてきた。だから、子どもは本当にバスケットが好きになる。子どもたちにバスケットを楽しくやらせようと、選手が地域の中で動くというのは、プロクラブとして一番大切なこと。Bリーグは、そういうbjの良さを生かさないといけない。

<Jの経験生かす>
 TKbjリーグとNBLの統合作業は簡単に言うと、新しい器を作り、そこに両リーグから加わってもらうということだった。
 バスケットとの関わりは2年前の4月、小浜元孝・元日本男子代表監督に「何とかリーグを一つにしてくれ」と頼まれたのがきっかけ。FIBA(国際バスケットボール連盟)から(リーグ統合がなければ)五輪予選に出さないと言われたんだ。
 その後、FIBAのバウマン事務総長の依頼もあって、タスクフォース(日本協会の改革を主導する特別チーム)のチェアマンを引き受けた。5カ月で解決しないといけなかったから、思い切ってやった。
 新リーグづくりは「言うことを聞かないなら付いてこなくていい」とトップダウンで進めた。「将来300億円の市場になるのだから夢を持とう」。そう言ったんだ。
 企業は「赤字の補填(ほてん)をどうするのか」と法人化に反対だった。でも、「独立採算にしないと自立してやっているかどうかが分からない」と言った。
 もう一つ解決しなければならなかったのが企業名だった。NBLのチームは(Bリーグの公式発表を除いて)企業名が残れば広告宣伝費としてお金は出せる。だから企業名さえ残っていれば反対しようがない。企業名をなくすことを強行すると、この話はつぶれると思った。
 5000人以上収容のアリーナについてもホーム戦の8割開催なんか当初は「できるわけがない」と白けられた。でも、Jリーグの経験から、市長に頼みに行って認めさせれば可能だと分かっていた。

<東北から有望株>
 リーグの統合は代表チームの強化という目的もあった。今季のNBLで優勝した川崎(東芝神奈川、B1)は選手層が厚かった。他のクラブではスタメンになれても、あまり試合に出ていない選手がいた。新リーグは戦力を均等にし全体のレベルアップにもつながる。
 Bリーグの誕生によって選手の争奪戦が始まり、各選手の年俸も上がる。(米プロバスケットボール)NBAからも選手を引っ張ってきてほしいものだ。サラリーキャップ(選手年俸総額の上限)は撤廃する。払い過ぎているから、抑えるというのが、この制度。2000万、3000万円ももらえないような選手がプロと言えるわけがない。
 外国人選手は同時出場2人までだから、日本人中心のチームづくりになる。そうなれば、日本代表は強くなる方向に向かう。
 何しろ日本にはいい素材がいっぱいいる。例えば渡辺雄太(米ジョージ・ワシントン大)や八村塁(宮城・明成高出、米ゴンザガ大進学を希望)。海外で活躍してもらうと同時に、国内でも育成していきたい。東北でも将来有望な選手を育ててほしい。
 Bリーグ、地域にとってこんなありがたいソフトはないんじゃないか。

●川淵三郎(かわぶち・さぶろう)大阪府出身。早大卒。80年サッカー日本代表監督。サッカーのプロ化に尽力し91年発足した日本初のプロリーグ、Jリーグの初代チェアマンを経て日本サッカー協会会長を務める。15年1月、タスクフォースのチェアマンに就任。同年5月から日本バスケットボール協会会長。79歳。


2016年06月15日水曜日


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