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<参院選争点を歩く>現場の課題 真っ二つ

仕事を終えた後、保育園から子どもを連れて帰途に就く母親。都市部では待機児童が深刻な問題になっている=仙台市青葉区

◎子育て 「財布なき議論」嘆く

 都市部の保育所にあふれる待機児童と、少子高齢化で児童が消えゆく現実。子育てを巡る現場は、真っ二つに分断されている。

<少子化進む>
 秋田市で9日にあった参院選(22日公示、7月10日投開票)秋田選挙区(改選数1)の公開討論会。自民党現職の石井浩郎は「子育てに金がかかることが人口減少の要因。幼児教育や大学奨学金の無償化で家庭の負担を減らす」と訴えた。
 民進党元議員の松浦大悟も、地域社会の活性化策として「子ども支援費の拡充」を位置付ける。演説会などでは「収入が安定しなければ若い人は結婚しないし子どもも生まれない」と根本的な問題に踏み込む。
 秋田県の人口は102万。若年層の県外流出や少子高齢化、過疎化が加速し、2015年の国勢調査では減少率が全国一の5.8%だった。地域経済の低迷も深刻で、100万人割れが目前に迫る。
 両氏の政策は「幼児教育の無償化、大学生らへの生活費を含む奨学金の創設」(石井)「旧民主党政権が進めた子ども手当の拡充、高校授業料実質無償化の継続」(松浦)など、いずれも社会保障的な傾向が色濃く表れている。

<待機児童も>
 秋田県の人口を上回る108万人が暮らす政令市・仙台。保育施設の待機児童数(4月1日)は200人を超え、増設など解消の取り組みが追いつかない。
 「保育園落ちた日本死ね」。インターネット上で3月に公開された匿名ブログは大きな反響を呼んだ。仙台でも、「保育園落ちた」保護者の共感が広がる。
 世論の動きに、各候補予定者たちは、それぞれ処方箋を打ち出す。
 宮城選挙区(改選数1)の民進党現職桜井充は10日、市民グループの集会で「保育所を増やすだけでなく、一定期間仕事を休んで子育てしたい人に、保育所に出すのと同額の補助金を支給するなど多様な支援が必要だ」と持論を展開した。
 自民党現職の熊谷大は14日の公開討論会で「保育所だけでなく幼稚園にも0〜2歳児を預けられるようにすれば、より子育てしやすい環境が整うのではないか」との考えを示した。
 与野党こぞって必要性を叫ぶ子育て支援や教育関連予算の充実。ただ、肝心の財源は心もとない。消費税増税の再延期で社会保障全体の先行きは危うさを増し、「財布のない議論」(宮城県議)との深い嘆きが漏れる。
 「選挙が終わってみると結局何も変わらない。また絵に描いた餅になるのだろうか」。仙台市内の保育関係者は不安を口にした。
(敬称略)


2016年06月18日土曜日


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