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牛タン高騰「モウ限界」仕入れ値5割高に悲鳴

海外の生産減などで材料の仕入れ値が高騰している牛タン焼き

 仙台名物牛タン焼きの専門店が、輸入牛タンの価格高騰に悩まされている。中国経済の減速で海外の牛肉生産が減っている上、国内では大手外食チェーン店などとの競合があり、仕入れ値が昨年11月ごろと比べると5割以上高くなっている。店頭価格の引き上げに踏み切った専門店もあり、業界からは「材料価格の高騰がこれ以上続くと価格を維持するのは厳しい」との声が出ている。

 「4月に牛タンのメニューを50〜100円値上げした。6月には仕入れ値が落ち着くと見込んでいたが、見通しはまだ立たない」と話すのは、仙台市青葉区の専門店「たんや善治郎仙台駅駅前本店」の木村幸平店長。今のところ客足に影響はないものの、今後の動向が気になる。
 専門18業者でつくる仙台牛たん振興会によると、最も多く使われているオーストラリア産の現在の仕入れ値は、1キロ当たり1600円程度。近年の水準(900〜1100円)から5〜7割上昇した。
 最大の理由は中国の景気の冷え込みだ。消費意欲が弱まった中国では安価な豚肉や鶏肉が好まれるようになった影響で、オーストラリアや米国で牛肉の生産量そのものが減っている。
 さらに海外の精肉加工業者が牛タン専門店向けの出荷を減らし、焼き肉店向けを増やしているという。焼き肉店では客が自ら焼くため、色のいいチルド(冷蔵)タンが中心。焼いてから客に出す専門店は、色は劣っても賞味期限の長いフローズン(冷凍)タンを使う。
 チルドタンはフローズンタンより加工が容易な上、焼き肉店向けの需要は今後も伸びが期待できる。振興会の小野博康事務局長は「海外業者がフローズンタンの生産に消極的になっているようだ」と心配する。
 5年ほど前から国内の業界事情も変化している。居酒屋など大手外食チェーン店が東京や大阪などで牛タン専門店を展開し、牛タンの仕入れ値が高騰しやすい環境になっている。
 ある専門店は「材料高騰が続けば、値上げやお客さんに出す量を減らすことを検討せざるを得ない。人件費の抑制で対応するにも限界がある」と話している。


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2016年06月19日日曜日


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