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<18歳選挙権>貴重な機会「政治身近に」

旧岩城町の住民投票に19歳で参加した今野さんは、由利本荘市職員になっている=由利本荘市役所

◎秋田・旧岩城町 02年に年齢引き下げ住民投票

 改正公選法が19日に施行され、参院選(22日公示、7月10日投開票)は選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられる。14年前の2002年、秋田県岩城町(現由利本荘市)では、市町合併の相手先を問う住民投票で全国に先駆けて「18歳以上」が1票を投じた。当時の町長は「判断は間違っていなかった」、当時18、19歳だった住民は「政治が身近に感じられた」と振り返り、若者の政治参加が進むことを期待する。

 合併を巡っては、秋田市への通勤通学者の多い町北部と、本荘市と地理的な結び付きの強い南部とで意見が二分。町を分割してそれぞれと合併する案まで浮上した。「住民が納得いく結論を得たい」と町が選んだのが住民投票だった。
 「町の将来を担う若者にも、重要な問題に判断を示してほしかった」。当時町長だった県議の加藤鉱一さん(67)は、住民投票条例で参加対象を18歳以上の町民とした理由をそう語る。
 実際の投票には18、19歳の149人のうち99人が参加。この年齢層の投票率は66.44%に達した。加藤さんは「18、19歳の参加は岩城から全国の住民投票に広がり、ようやく国政選挙でも実現できた。判断は間違っていなかった」と話す。
 当時、18、19歳の若者は住民投票にどう向き合ったのか。
 「18、19歳も投票できると友達の間でよく話題になった」。高校3年だった由利本荘市の会社員伊藤佳紀さん(32)は当時のことをよく覚えている。
 票を投じたのは秋田市。「合併の相手が本荘市に決まっても、自分で考え、意思表示できたという意味でいい機会だった」と語る。
 進学などで町を離れた人も帰省して投票した。当時19歳で東北大2年だった由利本荘市職員の今野翔さん(33)もその一人だ。
 仙台市に住んでいたため、判断材料になる情報をなかなか得られなかったが、「家族の話などを参考に、自分なりに岩城の将来を考えて投票した」と言う。
 大学卒業後に帰郷した。「地域の一体感の大切さなど、後で気付かされたこともあった。せっかく与えられた機会。判断を示せてよかった」と力を込める。
 新たに選挙権を持つ「後輩」たちに、こうエールを送る。
 「当時に比べ、今は情報量も多い。新聞やテレビなどを通して多くの意見に触れ、自分なりの考えを持って投票に行ってほしい」

[岩城町の住民投票]2002年9月29日実施。合併相手として、「秋田市とその周辺」か「本荘市とその周辺」かを2択で選んだ。結果は「秋田市」の1626票に対し、「本荘市」が2724票で過半数に達した。全体の投票率は81.24%だった。


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2016年06月19日日曜日


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