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<この人このまち>線路に夢乗せ企画進行

[ちば・ひろゆき]62年盛岡市生まれ。盛岡工高卒。同市で鉄道関連の会社に勤める傍ら、休日にレールパークに出向いて運営を手伝う。

 秋田県小坂町の観光施設「小坂鉄道レールパーク」は、機関車の運転体験や寝台車での宿泊が人気を集める。施設は2009年に廃線となった小坂鉄道の小坂駅を活用し、14年に開業。ボランティア組織「小坂鉄道保存会」会長の千葉裕之さん(53)は、鉄道ファンの立場から催しの企画や運営を手伝い、来場者をもてなす。(秋田総局・藤沢和久)

◎小坂鉄道保存会会長 千葉裕之さん(53)

 −保存会の活動は。
 「園内を案内したり、列車の進行や停止を示す旗を振ったりしています。一般の人に鉄道への理解を深めてもらうとともに、鉄道好きの人には例えば体験運転で通票(通行証)を渡すなど、ファン心理をくすぐる小道具や演出を心掛けています」
 「会員は約40人。ほとんどが鉄道ファンです。勤め先はさまざまですが、制服に身を包めば皆、『鉄道員』。実際に使われていた車両や駅舎が主な活動の場なので、鉄道ファンとしてはやりがいがあります」

 −小坂鉄道に関心を持ったきっかけは。
 「1990年ごろ、JR花輪線の写真を撮りに盛岡市から秋田県北を訪れた際に、たまたま立ち寄りました。機関車を3両つないだ『3重連』で坂を上る貨物列車の姿に引かれ、毎週のように通いました」

 −小坂鉄道が廃線になる前から催しを企画していますね。
 「95年10月に小坂鉄道が鉄道の日の催しを初めてやることになり、有志で企画、要望した機関車4重連運行が実現しました。以来、企画を手伝うようになったのが活動の原点です」

 −廃線になった時の心境は。
 「小坂製錬がある限り鉄道は大丈夫だと思っていたのでショックでした。同時に、これだけの鉄道施設を活用する方法はないかと、保存会準備室を2009年12月に発足させました。地域活性化を考える町と思惑が一致し、13年6月に保存会を結成しました」

 −レールパークには、車両や信号など古い鉄道設備が多く残っています。
 「ほとんどが昭和の物です。ハイテク化された今とは違い、人間が操作する部分が多くあります。『昔はこうやっていたんだよ』と子どもたちに伝えることもできます」

 −今月で開業2周年を迎えました。
 「東北だけでなく、関東や関西から来る人もいます。親子連れも多く、一大集客施設になりました。将来は線路や車両の保守作業も手伝い、鉄道の文化や技術を次の世代に受け継いでいきたいと思います」(月曜日掲載)


関連ページ: 秋田 社会

2016年06月20日月曜日


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