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<奔流乱流1強政治>首相先頭はや総力戦

石巻市を訪れた安倍(上)、官房長官の菅(左下)、党政調会長の稲田(右下)のコラージュ

 参院選(7月10日投開票)は、22日の公示が2日後に迫った。「自公」の与党と「民共」を軸にした野党が、がっぷり四つの激戦を繰り広げる東北の6選挙区。各党が幹部級を続々投入し、しのぎを削る攻防の舞台を追った。(参院選取材班)

◎参院選東北(上)与党の焦り

 「1強」のプライドを懸け、首相官邸が劣勢の1人区に総攻撃を仕掛ける。
 「自民党が政権を奪還する前の暗い時代に戻してはならない」。首相安倍晋三は14日、参院選宮城選挙区の現職応援のため仙台、石巻両市を転戦。敵意をむき出しにした舌鋒(ぜっぽう)を野党に向けた。
 通常国会閉会後、首相は3日の福島を皮切りに、15日までに東北6選挙区を一巡した。「今まででは考えられない」(党関係者)という公示前の6県行脚。計11カ所でマイクを握り、「前進か後退かの選択だ」と声をからした。
 アベノミクスの矢はいまだ届かず、東日本大震災や東京電力福島第1原発事故からの復興など困難な課題に相対する東北。主要産業の農業を直撃する環太平洋連携協定(TPP)への反発は農村を中心に広がる。

<政策でも下支え>
 定数減に伴い東北6選挙区は全て1人区となり、与党と野党統一候補が激突する。自民は6県で苦戦を強いられ、与党有利が伝えられる全国情勢とは明らかに様相が異なる。
 秋田市で12日にあった現職の総決起大会に出席した官房長官菅義偉の表情は終始、固かった。「本当に厳しい選挙戦だ。大事な1議席を野党に渡すわけにはいかない」と、古里・秋田県の党員らにげきを飛ばした。
 政策面からも下支えする。自民は今回、東北ブロックの共通公約を初めて策定した。党政調会長稲田朋美は10日の記者会見で「戦いやすい形で共通公約を作ったことは非常に意味がある」と強調した。

<政権運営に直結>
 安倍はこれまでに参院選を2回率いている。1人区で惨敗した2007年は衆参で多数派が異なる「ねじれ」を生み、政権復帰後の13年に圧勝するまで、解消に6年を要した。1人区の消長は選挙戦全体の勝敗はもとより、自らの政権運営と政治基盤を揺るがす。
 「相手は共産党と一緒に政権を倒そうとしている。その先に復興はない。国民政党は自公政権だ」。元復興相根本匠(衆院福島2区)は12日、郡山市であった現職の総決起大会で与党色を前面に出した。
 与党が示す勝敗ラインは「自公で改選過半数」の61議席。憲法改正をも見据える「負けられない戦い」(首相)を目前に、自民持ち前の強力な地方組織が運動量を上げてきた。
 青森県の4市で5日、党県連青年局が展開した街頭活動。青森選挙区の現職が行く先々で、地元選出の衆参議員4人がぴたりと張り付いた。地域での知名度、末端への浸透力を生かし、援護射撃の陣を敷く。
 連立を組む公明も支持母体がフル回転し始めた。宮城県本部代表の庄子賢一は11日、仙台市での時局講演会で「逆転勝利へのスタートを切る」と力を込めた。(敬称略)


2016年06月20日月曜日


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