広域のニュース

<参院選争点を歩く>戦争法か 平和の盾か

成立から9カ月。安保法に関する演説を聞く市民=19日午後、仙台市

◎安保法 国の針路見据え応酬

 国民を戦争へと導く悪法か、生命と財産を守る平和の盾か。論争は依然として収束していない。

<廃止目指す>
 国会前を市民のデモ隊が埋め、議場内に怒号が飛び交う中で昨年9月に成立した安全保障関連法。3月の施行後、初の大型国政選挙となる参院選(22日公示、7月10日投開票)は、国家の行く末を左右するターニングポイントとなる。
 「世界の裏側で起きる戦争に行く恐れがあるのは自分たち若い世代だ」。学生団体「SEALDs(シールズ)」の中心メンバー奥田愛基(23)は16日午後、秋田市のJR秋田駅前に立った。
 集団的自衛権を解禁した安保法は自衛隊の海外活動を大幅に拡大。日本周辺に限らず、米軍や他国軍の後方支援を可能にした。危険性を嗅ぎ取った奥田らは昨夏、国会前を連日占拠した。
 「野党共闘がゴールではない」。秋田選挙区(改選数1)の民進党元議員松浦大悟を応援する奥田は、その先にある廃止を見据える。
 「米艦船が攻撃された時、自衛隊が迎撃しなかったら日米の信頼関係はなくなる」。湯沢市出身の官房長官菅義偉は12日、秋田市で開かれた自民党現職石井浩郎の集会で安保法の必要性を繰り返し説いた。

<他国軍守る>
 北朝鮮のミサイル発射、中国軍艦による南西諸島周辺の領海や接続海域での航行などの事態を引きながら、与党は安保法の正当性を問う。「廃止して国民の平和な暮らしを守れるのか」。国家運営の要を握る菅のすごみが会場を覆った。
 安保法に基づく新任務が初めて与えられるのは、陸上自衛隊第5普通科連隊(青森市)とみられている。防衛省は11月、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に同連隊を派遣する方針。武装集団に襲われた他国部隊を自衛隊員が武器を使って守る「駆け付け警護」を担う可能性がある。
 「南スーダンに行くな、と言うのは国際貢献をやめろと言うのと同じだ」。青森市で16日夜あった公開討論会で、青森選挙区(改選数1)の自民現職山崎力は、地元部隊の派遣を批判する野党の姿勢を皮肉った。
 対する民進新人田名部匡代は「憲法を破ることには断固反対」と反論。集団的自衛権の行使を禁じた歴代内閣の憲法解釈変更に照準を合わせ、「大いなる危機だ」と訴えた。
 安保法成立から9カ月に当たる19日、仙台市中心部では与野党が法の是非を巡って応酬を繰り広げた。
 宮城選挙区(改選数1)の民進現職桜井充は、市民団体の集会に出席。共闘を組む共産、社民各党の県議、市議と共に「今すぐ廃止を」と拳を振り上げた。
 自民現職熊谷大は、元沖縄北方担当相の山本一太と街頭に立った。山本は「日本を守るには日米同盟が欠かせない」と安保法の持つ意義を強調した。(敬称略)


2016年06月20日月曜日


先頭に戻る