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<ドローン>練習場所少ない 活用へ大きな壁

講習会の参加者にドローン操縦の手本を見せる桐生さん(左端)と石田さん(左から2人目)=宮城県大和町

 空撮や測量など活用分野が広がる小型無人機「ドローン」で、操縦練習の場所の確保が課題になっている。昨年12月に改正航空法が施行され、仙台市中心部といった人口集中地区などでの飛行には国土交通省の許可が必要。申請では操縦者に一定時間の経験を求めている。東北での専用練習場はわずか2カ所で、ドローン導入に二の足を踏む事業者や団体も少なくない。
 国交省によると、改正法施行後の半年間(9日現在)で、ドローンの飛行申請は6093件に上るが、許可されたのは4643件。3割近くは書類の不備といった理由で認められていない。
 申請の最大の壁は10時間以上と設定された操縦者の飛行経歴だ。私有地でも第三者や建物との距離が30メートル未満の場合は国の許可が要る。
 宮城県大和町で会員制ドローン練習場を運営する「ブーメラン」(仙台市)の石田一浩代表(40)は「無許可では、仙台などの市街地ほぼ全域で飛ばせない」と言う。
 東北で他の専用練習場は、空撮会社・空むすび(同)が同県利府町に設けた施設しかない。一部のスキー場などは制限付きで利用を認めているが、練習場所は限られる。
 ブーメランは講習会も開いている。参加した大崎市の旅館経営沼倉浩章さん(55)は「山小屋や崖崩れなどの場所を映像や写真で紹介できれば、宿泊客にも分かりやすいはず」とドローン導入に意欲を示す。だが、「10時間の練習は大変」と漏らす。
 こうした現状に行政も支援に乗り出した。国交省東北技術事務所(多賀城市)は今年1月から、建設業団体に限って構内を練習場所として無償で開放。同県丸森町は2月に企業と協定を結び、スクール事業の検討を始めた。
 石田代表は「申請のハードルは高いが、安全飛行の技術を身に付けるには練習が不可欠」と強調。講習会でインストラクターを務めた桐生俊輔さん(35)は「ビジネスで活用するならもっと練習場が必要」と訴える。

[改正航空法]空港周辺や高度150メートル以上、人口集中地区の飛行を制限。(1)夜間(2)目視範囲外(3)人や建物との距離30メートル未満−などの飛行も許可が必要。重さ200グラム未満の機体は規制対象外。違反した場合は50万円以下の罰金が科される。


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2016年06月20日月曜日


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