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<参院選山形>埋まらなかった深い溝

舟山氏推薦断念を発表する共産党山形県委員会の本間委員長(右)

 共産党山形県委員会が意欲を示していた舟山康江氏の「推薦」は実現しなかった。選挙戦で存在感を示したい共産党と、「共産カラー」を抑えたい民進、社民両党、連合山形との間で行われてきた交渉は難航。22日に公示を控え、時間切れの形で共産側が譲歩した。
 全国32の1人区で野党統一候補を実現するのに当たり、共産党本部は政策協定の成立か、共闘関係の合意があった段階で、党本部として推薦を機関決定している。山形についても党本部レベルでは推薦を決定した扱いになっていた。
 しかし、この方針は県レベルでは他党に受け入れられない場合があり、山形でも推薦を巡って駆け引きが繰り広げられてきた。
 共産の舟山氏推薦に強い反発が出た背景には、政策の違いに加え、昨年9月の山形市長選がある。当時の民主、社民、共産などが非自民候補者を推薦して共闘した際、「共産が全面支援に乗り出したことで保守票が逃げ、僅差で破れた」という見方が尾を引いているからだ。
 推薦を巡り共産党県委員会は4月以降、民進党県連の近藤洋介会長(衆院比例東北)と3回ほど協議したが、平行線をたどった。ある選対幹部は「もともと共産に推薦を出させる考えはなく、時間を稼いだだけ」と解説する。共産色を抑えて保守票を取り込んだ上で、前回共産党候補者が獲得した約3万票の票を上積みしたいというのが本音だ。
 協議の過程では「推薦」ではなく「支持」にするとの提案もあった。だが共産側は「推薦は依頼を受けて出すが、支持はこちらから一方的に出すもの。独自候補を取り下げてまで舟山氏応援に回った経緯を考えれば、あり得ない選択肢だった」と明かす。
 山形市で14日にあった舟山氏の総決起集会には共産幹部が顔をそろえたが、マイクを握ることはなく、紹介すらされなかった。舟山選対の本部とは別の場所に独自選対を構えている状況にも、共産支持者は不満を募らせており、野党共闘は試練の時を迎えている。(解説=山形総局・伊藤卓哉)


2016年06月21日火曜日


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