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<トップに聞く>学校 家造りの集大成

須森明(すもり・あきら)中学在学中より左官業に従事。69年、仙台市に須森工業を設立。75年に現社名で株式会社化し社長に就任。66歳。宮城県七ケ浜町出身。

 象のキャラクターで知られる注文住宅メーカーのスモリ工業(仙台市)が6月、家造りの技術を基礎から学べる「家づくりの学校」を宮城県大郷町に開設した。廃校を活用した施設で、職人養成をメインとしつつ一般希望者にも無料で開放するのが特徴。「学校開校は家造り人生の集大成」と位置付ける須森明社長に狙いを聞いた。(聞き手は泉支局・北條哲広)

◎スモリ工業 須森明社長

 −なぜ家造りの学校を開設したのか。
 「13歳で左官を始め、家造りに携わり53年。私自身が挑戦し続けてきた結果を伝えていきたいとの思いが強かった。廃校になった旧味明小の校舎を買い取ったことで、地域貢献になるとの声も出ているが、メインの目的ではない」

 −受講を無料にした。
 「家造りにはやる気が大切。本気で学ぶ人が出てくるのであれば、経費は問題でない。家づくり学校は個人資産を注ぎ込み、10年計画で考えている」
 「食には地産地消という言葉があるが、家造りもそれが理想。地元産木材を使って、地元で学んだ人間が造り、地元の人が住む。その仕組みづくりに学校は大きな役割を果たすと思う」

 −どんな受講者を想定しているのか。
 「これからを担う若い方を主に想定しているが、東日本大震災で失業してしまった人や農家や漁師の方なども大歓迎だ。やる気があれば誰でも拒まない」

 −職人になるには相当な訓練が必要ではないか。
 「大工や左官などの職人は長い修業期間が必要とされ、若い世代に敬遠されがちだ。それでは業界が立ちゆかなくなる。スモリの方式であれば短期間で職人を養成でき、若い人でも安定した生活を送ることができる」
 「スモリの工法は事前に加工したパネルを現地で組み立てるスピード工法が主流。学校での受講期間は6カ月を想定している。その後1年間、実際の現場で実務経験を積んでもらえればスモリの家は建てられる」

 −スモリ工業は2014年、宮城県内で建てた住宅が5000棟に達した。
 「本当におかげさまと言うほかない。転機は40代だった。自律神経失調症とパニック障害を患い、利益追求ではなく、公正、正直に家を建てたいという原点に立ち返った。多くの場合、家は一生に一度の大きな買い物。しっかりした家を造ることが大事だ。それが信頼、信用につながる」


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2016年06月22日水曜日


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