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<参院選かすむ政治>「女性活躍」私たちも

候補者掲示板を見ながら通り過ぎる親子。主婦たちは日々の暮らしを守る1票の重みを感じ始めている=23日、仙台市

◎生活の現場から/物言う主婦 候補者招き対話の場

 参院選公示前の今月上旬、仙台市内の会議室に20〜60代の主婦ら約30人が集まった。視線の先に、宮城選挙区(改選数1)の立候補予定者1人がいた。
 政治関係者との対話の場「お話カフェ」だ。
 「原発はない方がいいですが、すぐには無理です」
 エネルギー政策、消費税増税、憲法改正…。主婦たちが次々と率直な質問をぶつける。立候補予定者もざっくばらんに応じた。
 企画したのは今年3月まで泉区に住み、夫の転勤で東京都に引っ越した主婦砂子啓子さん(42)。子育て世代の主婦が参加しやすいよう平日の昼に開く。他の立候補予定者はスケジュールの都合で欠席した。
 もともと政治と距離を置いていた。
 主婦の仲間内で政治の話を持ち出すのはタブーだった。主張のぶつけ合いは場の雰囲気を悪くするため敬遠される。「ニュースを見れば政党のいがみ合いばかり。政治は物々しく、怖いものだと感じていた」
 物言わぬ主婦の1人だった自分を、東日本大震災が変えた。
 震災発生から3日後、当時2歳と4歳の息子を連れ、故郷の佐賀県に避難した。直後に主婦仲間と連携し、被災地が必要なものと支援したい人たちをつなぐウェブサイトを開設した。仙台から逃げた後ろめたさが気持ちを後押しした。
 半年後に仙台に戻ってからも活動を続け、東京電力福島第1原発事故を受けて節電を呼び掛けた。だが、被災地支援やエネルギー問題は自分たちの努力だけでは容易に解決できない。そもそも、主婦の声はなかなか聞いてもらえない。
 それなら−。
 昨年秋の宮城県議選の直前、「お話カフェ」を初めて企画した。全く縁のなかった選挙事務所にアポなしで飛び込み、参加を呼び掛けた。最初はけげんな顔をされたが、趣旨を説明すると理解してくれた。
 2回開いたカフェには大半の候補者が出席した。つながりができ、今でもフェイスブックで世間話を交わす。政治家の「顔」を初めて見た気がした。
 参院選では「女性活躍」のフレーズが躍る。公約や演説を見聞きすると、外で働く女性を指しているように思える。
 子どもを預けて働き、納税して社会を支える女性だけが輝くのか。主婦だって、家族の日々の暮らしを支える大黒柱だ。自分たちの声が届いていない。
 「お話カフェ」はこれからも仙台の主婦仲間が引き継いでほしい。何も知らないところからでもできることは、自分が証明した。
(報道部・相沢みづき)


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2016年06月25日土曜日


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