広域のニュース

<英EU離脱>東北の食品輸出 影響懸念

「東北の食品輸出の伸びに水を差しかねない」と円高への懸念を語る寺田所長

◎ジェトロ仙台貿易情報センター 寺田佳宏所長に聞く


 英国で23日に実施された国民投票で欧州連合(EU)離脱派が勝利した結果は、日本や東北の経済にどう影響するのか。英国に赴任した経験のある日本貿易振興機構(ジェトロ)仙台貿易情報センターの寺田佳宏所長に聞いた。(聞き手は報道部・保科暁史)
 −離脱が残留を上回った背景をどう見るか。
 「経済的不利益の発生が予測される中でも英国民は離脱を選んだ。移民の流入と、EU内での無制限での人の移動に対する警戒心が底流にあったのだろう」
 −英国とEU間の経済活動は今後どうなるか。
 「最悪の場合は輸出入に関税がかかり、人やモノの移動が制限される。今まで一つの国のように自由化されていたシステムが、離脱で元に戻ってしまう。一方、トルコのようにEUに加盟していなくても関税同盟を締結し、関税なしで貿易をできる可能性もある」
 −国内経済への影響は。
 「多くの日本企業が欧州におけるビジネス基地として英国を位置付けている。自動車メーカーなどは工場がある英国から欧州に輸出しており、関税がかかるようになれば大きな影響が出るのは必至だ」
 −市場は円高、株安に大きく動いた。東北経済にどう波及するか。
 「最も懸念するのは、円高による食品輸出への影響だ。アジア各国の経済成長や世界的な日本食人気の高まりを背景に、国内の農水産物の輸出は、ここ3年で急激に伸びている。円安傾向がそれを支えてきた」
 「東北は1次産業が盛んな地域。東日本大震災で被災した企業も海外の販路開拓を目指し、結果も出てきた。しかし、円高になれば企業がどんな努力をしても、商品を値上げしたのと同じ形になってしまう。食品は工業製品よりも価格変動の影響がシビアなだけに、需要の低下が心配だ」


関連ページ: 広域 経済

2016年06月25日土曜日


先頭に戻る