広域のニュース

<参院選>合区広すぎて 与野党が批判

自民党公認候補の応援に入った(前列左から)細田博之党幹事長代行、石破茂地方創生担当相、竹下前復興相。山陰地方は党有力者が多いが、合区にはあらがえなかった=島根県庁前

 来月10日投開票の参院選で、憲政史上初めてとなる合区が「鳥取・島根」「徳島・高知」両選挙区(改選数各1)で導入された。選挙戦に突入し、鳥取・島根選挙区では与野党ともに合区批判を展開。陣営や一般有権者も不満を口にする。1票の格差是正に向けた選挙制度変更の検討過程では、東北の選挙区も合区対象に浮上した。近い将来、東北で現実になりかねない「合区選挙」を取材した。(東京支社・小木曽崇)
 鳥取・島根選挙区では公示日の22日、与野党の候補者がそろって新制度の解消を公約に掲げて争う異例の展開となった。
 「誰も戦ったことがない選挙戦。東京も大阪も島根も鳥取も平等だ。合区解消の先頭に立つ」。自民党現職の青木一彦氏(55)=島根県出雲市出身=は松江市の島根県庁前の第一声で、合区解消を盛り込む党公約をアピールした。
 野党統一候補で無所属新人の福島浩彦氏(59)=鳥取県米子市出身=も島根県美郷町の第一声で「合区は人口の少ない所にしわ寄せした」と強調。両県に議員1人ずつを割り振って定数を定め、歳費総額を減らすよう提案した。
 選挙戦に入ると、合区の困難さは想像以上だった。
 選挙区は東西に長く、車で東西両端を移動すると350キロ超。仙台−東京間に匹敵する。福島氏陣営のスタッフは「広い選挙区に集落が点在し、移動が大変だ」と嘆く。島根県の隠岐諸島は選挙期間中に入れない見通しという。
 青木氏陣営の戸惑いも大きい。青木氏の父で「参院のドン」と言われた幹雄元党参院議員会長から続く「青木ブランド」が鳥取では通用しない。党島根県連会長の竹下亘前復興相は「隣の県なのに、驚くほど知られていない。都道府県制度を崩すのはおかしい」と憤る。
 松江市内で、ある陣営の応援に駆け付けた団体役員の女性(75)は「島根は都市部に比べて投票率が高く、有権者の関心は高い。有権者数だけで議員の配分を決めないでほしい」と不満を隠さない。
 地元の反発が強い合区を巡り、萩生田光一官房副長官は23日の記者会見で、都道府県から最低1人は選出するル−ルを作るべきだとの考えを示した。
 東北大大学院情報科学研究科の河村和徳准教授(政治学)は「合区は場当たり的な対応だ。区割りを見直すにしても、もっと基準を明確にするべきだった。各都道府県の地域代表を求める意見もあるが、まずは衆参両院の在り方を議論した上で制度を決める必要がある」と話した。


2016年06月27日月曜日


先頭に戻る