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<仙台市議会を振り返って>防災条例 発信する役割明記を

 27日閉会した仙台市議会6月定例会では、熊本地震を踏まえた災害対応法制や市の地震対策の在り方を問う議論が目立った。自民党が代表質疑で挙げた「熊本市以外の自治体にも、経験を生かした支援をすべきではなかったか」との論点は特に重要だ。
 仙台市は指定都市市長会の行動計画に基づき、熊本市に物資やマンパワーを提供した。東日本大震災で課題となったみなし仮設住宅の供与や罹災(りさい)証明発行の注意点を先回りして指摘し、感謝されたという。
 一方、熊本県益城町など他の被災自治体への支援は全国知事会が担った。奥山恵美子市長は「知事会と協議した結果の役割分担だ」と答弁したが、3.11の教訓を生かす「防災環境都市」を掲げる市長にしては消極的と言わざるを得ない。
 災害救助法に基づく救助の主体は都道府県だが、基礎自治体の対応や業務遂行のノウハウを最も知るのは同じ基礎自治体だ。3.11を経験した仙台市が他の自治体に提供できる知見は多い。
 役割分担という縦割りを是認することは、災害対応法制での政令市の権限拡大を国に求めてきた従来の市の姿勢とも矛盾する。市は市長会で今回の支援態勢を検証する主導役を担う。議会の指摘を受け止め、知事会との連携の在り方も再検討すべきだ。
 市議会は現在、政策担当者会議で議員提案による「防災都市推進条例(仮称)」の策定を検討している。条例の内容は未定だが、一自治体の枠にとどまらず、防災力向上に資する教訓を全国に発信する役割を明記し、市を後押ししてほしい。(報道部・関川洋平)


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2016年06月28日火曜日


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