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東北観光「着地型」に商機 タイ人誘客に力

本間家旧本邸で日本の建築様式を学ぶタイ人旅行客

 東北地方の観光事業者などでつくる「みちのくインバウンド推進協議会」(酒田市)が、タイ人観光客向け広域周遊ルートの開拓に力を入れている。宿泊先や交通手段を手配する役割を推進協が担い、タイの旅行会社と4月から計3度のツアーを実施。東北各地を巡り日本文化に触れる着地型観光のモデルを構築し、東北ブームを起こそうと躍起になっている。

 5月下旬、酒田市有数の観光施設「本間家旧本邸」に、推進協の案内でタイ人観光客22人が足を運んだ。
 庄内藩随一の豪商だった本間家11代当主の万紀子さんが出迎え「酒田と本間家は一体となり育ってきた。この屋敷はその象徴になる」と紹介。書院造りの建物などに質問が相次いだ。
 宿泊先のホテルでは歌舞伎鑑賞や笹巻作りを堪能。秋田県の由利高原鉄道や岩手県雫石町の鶯宿温泉、宮城県松島町などを巡り、東京での1泊を含む4泊5日の旅路を満喫した。
 推進協は昨年10月に発足。事務局長に北海道でタイ人誘客の実績がある河野裕喜さん(49)を迎えた。現在は青森と福島を除く東北4県から宿泊、交通、飲食など約50団体が参加する。
 ターゲットは訪日リピーターの富裕層。タイの旅行会社からニーズを聞きながら、東北の魅力ある観光資源を開拓、提供している。
 4月以降に実施した3回のツアーでは約80人のタイ人富裕層を受け入れた。推進協の理事長を務めるホテルリッチ&ガーデン酒田の熊谷芳則社長は「文化の違いやもてなし方が分かってきた。東南アジア各地から観光客を招き、地域を盛り上げたい」と意気込む。
 8月には、国交省との連携事業としてタイの現地メディアや旅行代理店を招いたモニターツアーを始める。通常のツアーと並行し、東北を売り込む方針だ。

[着地型観光] 旅行者を受け入れる地域が主体となって企画する旅行の形態。伝統行事への参加や穴場巡りなど、観光客の細かなニーズに応えられる。出発地にある旅行会社が企画する従来の「発地型観光」の対義語として生まれた。


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2016年06月28日火曜日


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