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<参院選青森>横一線 敵陣切り崩し

与野党の激戦が続く青森選挙区で候補の演説に聞き入る聴衆=25日、弘前市内

 参院選は7月10日の投開票に向け、後半戦に入る。東北6選挙区(改選数各1)は全てで「与党対野党連合」の構図となり、各地で接戦を展開。与党優位の全国情勢と様相を異にする。6県の戦いの今に迫る。

◎奔流乱流1強政治 東北激戦区ルポ(1)

 都市部で、農村で、1強自民と野党連合がしのぎを削る激戦区は、横一線のまま折り返しを迎えた。
 「東北は全て大接戦だ。中でも青森はデッドヒート。最後は数百票差で決まるかもしれない」
 民進党の参院選を仕切る選対委員長玄葉光一郎は24日、弘前市で拳を振るった。同じ壇上には青森選挙区(改選数1)に立つ新人田名部匡代。会場に集結した約300人の中には共闘する社民、共産両党の支持者の姿が目立った。
背水の陣を強調
 玄葉が檄(げき)を飛ばした翌日。元環境相細野豪志は五所川原市など津軽地方を転戦した。弘前市郊外の産直施設前で合流した田名部は「国政に復帰し、思いを届ける最大のチャンス。全てを懸ける後のない戦いだ」と背水の陣を強調した。
 元農相の父匡省から八戸市を含む青森3区の地盤を引き継ぎ、衆院議員を3期務めた。津軽は田名部にとって未知の土地。年明けから津軽を徹底的に歩いた。津軽が地盤で民進に合流した衆院議員升田世喜男(比例東北)とも連携する。
 党本部は津軽に支援を集中投下する。代表の岡田克也は公示前に2度入り、自民の岩盤に次々とくさびを打ち込んだ。
 接戦の手応えに連合青森や共産党の歯車がかみ合ってきた。野党総力戦の陣形は完成しつつある。陣営幹部は「自民の組織力に立ち向かい、僅差で勝ち抜きたい」と自信をにじませた。
なりふり構わず
 肉薄する田名部の足音。「東北劣勢」の序盤情勢が伝えられる中、官邸は野党共闘の想定を超す猛攻にいら立ちを募らせる。
 29日朝、官房長官菅義偉は自ら青森市に入り、自民現職山崎力をてこ入れした。街頭では野党批判を展開。「共産党は日米同盟の破棄、自衛隊の解散を主張する。民進と共産が組む『民共合作』で国を守れるのか」と危機感をあおった。
 首相安倍晋三は既に2度、県内入りした。24日は主戦場を田名部の地盤八戸市に定めた。約800人を前に「民進党に協力する共産党は自衛隊は解散すべきだと訴えている」となりふり構わぬ訴えを展開した。
 報道各社が報じた序盤情勢は横一線。「普通にやれば勝てる選挙」(自民県議)という目算は狂った。
 山崎は県内各地で「例え1票差でも負けは負け、勝ちは勝ちだ。絶対に勝って青森の役に立たせてほしい」と懇願する。「愚直で寡黙な職人肌」(陣営)と言われる山崎の訴えに悲壮感が漂ってきた。
 選対幹部の一人は「県連会長が首相からかなりねじを巻かれたようだ。組織内の票固めの徹底を強く促されている」と厳しい表情で明かす。最終盤、田名部をわずかの差でかわす−。県内最強の組織がプライドを懸ける。(敬称略)


2016年06月30日木曜日


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