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<山形大>発がん性大気汚染物 根拠ない数値報告

 山形大工学部が化学物質排出管理法に基づき国に提出する発がん性大気汚染物質ジクロロメタンの2015年度の排出量について、根拠のない数値を報告していたことが29日、分かった。担当部署は数値の高さに疑問を持ちながらも確認を怠っていた。
 同大工学部事務部によると、同大蓄電デバイス開発研究センター(米沢市)の研究室が文書を作成。昨年度のジクロロメタンの排出量を1万6000キログラムと記入し、施設管理を担当する事務部の職員が27日、提出窓口の山形県に届け出た。
 環境省はジクロロメタンの環境基準として1年平均値で1立方メートル当たり0.15ミリグラム以下と定めている。
 今月中旬、工学部内で数値の高さを疑問視する指摘があり、事務部の職員が研究室に確認したが、データは修正されなかった。
 センター長の飯塚博工学部長に当初、報告はなかった。飯塚学部長は29日、担当教授から記入した数値が誤りだったとの報告を受け、正確なデータの分析調査を業者に依頼するよう指示したという。結果が出た段階で改めて県に報告する。
 センターは昨年度、研究材料としてジクロロメタンを計1万3000キログラム、今年5月に3000キログラム購入している。購入量の合計と排出量を間違って記入した可能性もある。
 斎藤賀久事務部長は「なぜ高い数値なのか原因を追究することもなく、認識が甘かった。誰がどうして数値を誤って記したのかは確認していない」と話す。
 担当教授は河北新報社の取材に対し、事務局を通じて「忙しいので対応できない」と答えた。

[ジクロロメタン]有機溶剤や金属機器の洗浄剤などとして使われる。発がん性があり、人体の中枢神経障害を引き起こす。有害大気汚染物質に指定されており、化学物質排出管理法で年間排出量を都道府県経由で国に報告する義務が定められている。届け出をしなかったり虚偽の報告をしたりした場合は罰則として20万円以下の過料が課される。


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2016年06月30日木曜日


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