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<梨田監督E心伝心>新人 土台築く頑張り時

3回、プロ初本塁打を放ち、三塁を回る東北楽天のオコエ=6月14日

 捕手足立祐一、二塁吉持亮汰、遊撃茂木栄五郎、中堅がオコエ瑠偉と、交流戦ではセンターラインを全員新人で組んだ試合があった。過去数十年さかのぼってもないだろうという珍しい形だと思うし、球界に長くいる自分も記憶がない。使って面白い選手がドラフトで取れたという証拠である半面、主力にけがや不調で離脱も多かったから、新人を使わざるを得ない面もあった。台頭してくる選手というのは、巡り合わせの運を持っているものだ。

 オコエは高卒1年目なのに1軍でまずまず働けている。特筆すべきは中堅の守備で、既に球界で3本の指に入る。6月14日の巨人戦ではギャレットの中前への打球に果敢に突っ込んだ。普通は取れそうな状況にさえできないのに、惜しくも取れない場面にした。続いて三塁を狙った走者を送球でアウトにした。こういう守備での貢献は、チームの空気を一変させてくれるし、オコエならではの貢献の仕方だと思う。
 18日のDeNA戦で左腕今永昇太の内角の速球を打ってプロ初本塁打にしたとはいえ、まだ速球打ちに物足りなさを感じる。右投手による内角への速球、胸元へ差し込む変化球を打てていないからだ。ボール球に手を出してしまっている。振りにいって、バットを止める技術がないからだ。「1、2、3」の間合いで打っていて、「1、2の3」ではない。「の」の部分の粘りを出してほしい。今後も先発で使い続けるつもりだが、打率2割5分、四球も選んで出塁率3割3分くらいの数字は期待している。

 嶋基宏のけがで出場機会を得たとはいえ、最近の足立には「なかなかやりおるな」という印象を持っている。則本昂大とのコンビはテンポのよさを感じるし、投げ損ねのワンバウンドをしっかり捕ってくれる安心感もある。打撃もしぶとい。
 ただ16日の巨人戦で坂本勇人(青森・光星学院高出)に逆転弾を許したリードはいただけない。単に内角を突くのではなく、内角を意識させる見せ球としての使い方を磨いてほしい。
 打たれたのは、坂本がめっぽう得意とする内角への球だった。しかも打者有利の2ボールから、直球を内角に投げさせてしまった。投手にサインを出した後に、足立は打者が狙ってきそうな雰囲気を感じたかどうかだ。感じていたとすれば、サインと違う場所にミットを構えるなどして、何とか違うコースに投げさせる意図を投手に伝えなくてはいけない。重要なのは危機察知力。今の嶋にはない強肩を誇るだけにそこを磨いてほしい。
 現在茂木と吉持はけがで離脱しているが、4人には来季以降のチームの骨格になってほしいと期待している。今季はその土台を築いてほしい。3、4年たつと周囲の期待値も下がってくる。頑張り時は新人の今だね。


2016年07月01日金曜日


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