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<18歳選挙権>国の斜陽化に不安抱く

萩野寛雄(はぎの・ひろお)70年、東京都生まれ。早大大学院政治学研究科博士後期課程修了。11年から現職。12年から教務部副部長も務め、初年時教育や防災減災教育などを担当する。専門は地方自治。

 選挙権年齢の18歳以上への引き下げを受け、河北新報社が実施した100人モニター調査からは、国の将来を不安視する若者像が浮かび上がった。若者の政治意識や望ましい主権者教育の在り方について、東北福祉大の萩野寛雄教授(政治学)に聞いた。(聞き手は報道部・高橋公彦)

 −調査から読み取れる若者の政治意識は。
 「授業で接していても感じるが、若者の政治意識自体は高い。このままでは年金を受給できない、日本の経済力が落ちているといった知識がニュースなどを通じて入っている。国が斜陽化していく漠然とした不安を確実に抱いている」
 「日本の将来は明るくないとの回答が多かった。ただ、現状の生活にはおおむね満足しており、それがどのようにほころぶのかまでは想像できないようだ」

 −政治は若者の関心を引き付けられていない。
 「政治と若者のどちらが問題か判断が難しいが、政治課題に対する若者の理解力が低いのは事実。政治の側は、若年層の投票率が低いため、若者向けの政策を打ち出しても、選挙で当選できない事情がある。選挙権年齢の引き下げで若者への訴求力がある政策が増えると、目を向けるようになるかもしれない」

 −今後の主権者教育はどうあるべきか。
 「選挙権年齢の引き下げは本来、地方議会でこそ意義があるだろう。『地方自治は民主主義の学校』と言われる。自分の利害に直接関わる場面ほど、政治参加の最初のステップとしてふさわしい」
 「例えば中学や高校の仲間から市町村議選に立候補者を出すなど、できれば若者自身が選挙に挑戦するのが望ましい。身近な自分たちの代表が政策決定に参加することで市町村行政がどう変化し、責任をどう負うべきか、わがこととして理解できる。5年、10年のスパンで結果が出てくる」

 −投票率の低い若年層にどう訴えるか。
 「超高齢社会では若者が負担者となるが、現状では組織票が重みを増し、若年層の政治離れは進む一方だ。この傾向が続くほど、若者は『自分たちの代表が決めたのではない』と思い、政策の有効力が下がってしまう。教卓から『選挙に行け』と言い続けたい」


2016年07月03日日曜日


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