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<参院選秋田>県南の保守票が焦点

与野党が総力戦を展開する秋田選挙区で、候補の訴えに拍手を送る支持者ら=6月26日、秋田市内

◎奔流乱流1強政治 東北激戦区ルポ(4)

 追い風も、逆風もない。抜けるに抜け出せない混戦の鍵を県南地域が握る。

<農業者 反応鈍く>
 「防衛費を『人を殺す予算』と言った共産党と、民進党は手を組んだ」
 参院選(10日投開票)秋田選挙区(改選数1)。自民現職石井浩郎の陣営は6月28日、湯沢市皆瀬で論陣を張った。石井と県連会長御法川信英(衆院3区)は、野党共闘に舌鋒(ぜっぽう)を鋭く向けた。刺激的な表現が陣営の焦りを映す。
 同市を含む県南は良質なあきたこまちの産地。石井は農業者に不評な環太平洋連携協定(TPP)にも触れた。「TPPに参加しなければ秋田の農業が安泰かというと、それは違う」
 懸命に理解を求める石井だが、農業者の反応は鈍い。安倍政権は痛みを伴う農協改革も押し進める。農協幹部は「自民に協力する気はない」と言い放った。
 2010年の参院選。石井は民主党現職に10万票の大差をつけ、初当選した。元プロ野球選手の知名度は抜群だった。「ぶっちぎりで勝てる選挙」(県連幹部)と臨んだ今回。県南を中心とした農業票の離反で、保守票が揺らぐ。
 県連の危機感が際立ってきた。「地域を問わず取れるところから取る」(県連幹部)。農相森山裕が2日に横手市などに入るのをはじめ、県連は閣僚級らを連日投入する態勢を構築。巨大艦隊が動き始めた。
 県連幹事長小松隆明は「接近戦だ。自民、公明の総力を挙げて戦い切る」と引き離しに自信を見せた。

<与野党 風読めず>
 民進党元議員の松浦大悟は、県南の保守票に照準を定める。
 「維新の党時代から注目していた政治家だ。一緒になれて心強い」
 30日、由利本荘市。党代表岡田克也は、改革結集の会から民進に合流した衆院議員村岡敏英(比例東北)を持ち上げた。遅れて会場入りした松浦と3人で壇上に立ち、「ガンバロー」を三唱。結束を印象付けた。
 村岡は同市を中心とした県南に、元官房長官の父兼造以来の地盤を持つ。前回14年の衆院選3区に旧維新の党から立候補、9万票近く獲得し、御法川に肉薄した。余勢を駆って今回、松浦を支援する。
 松浦は07年、躍進した民主の勢いに乗って初当選し、13年の前回は党への強烈な逆風に屈した。今回、与野党とも風が読めない。村岡の支援を得て県南の保守票を取り込みつつ、党は風を起こすべく一気呵成(かせい)に攻め込む。
 「2、3カ月前までは厳しいと思っていたが、急激に追い上げている」(大館市で6月28日、党幹事長枝野幸男)「差が縮まってきたので、急きょ飛び込みで演説に入った」(横手市で同25日、党選対委員長玄葉光一郎)
 連合秋田会長の黒崎保樹は「背中が見えたと言っても、相手は4番打者。大きい背中だから近くに見えるだけだ」と陣営を引き締め、最終盤の戦いに臨む。(敬称略)

 ◇秋田選挙区立候補者(1―3)
西野 晃39諸新 
松浦大悟46民元(1)(共・社推)
石井浩郎52自現(1)(公推)


2016年07月04日月曜日


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