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福島の悲しみ歌い継ぐ 動画投稿に広がる共感

福島の悲しみを歌詞につづった「花は咲けども」を歌う影法師のメンバー。顔写真はメンバーで作詞担当の青木さん

 東京電力福島第1原発事故をテーマにした、山形県長井市のフォークグループ「影法師」のオリジナル曲「花は咲けども」が、静かな広がりを見せている。曲に共感したほかの歌手やグループが歌い継ぎ、動画投稿サイト「ユーチューブ」に約30の音源が公開されている。曲発表から今月で3年。グループは10日に東京・新宿の歌声喫茶店に初めて招かれ、来場者と歌い合う。
 ♪花は咲けども 春を喜ぶ 人はなし 毒を吐き出す 土の上 うらめし、くやしと 花は散る…
 事故の悲惨さや故郷を追われた被災者のつらさ、地方と首都圏の不公平な関係などが歌詞につづられる。メンバーが東日本大震災翌年の2012年12月、福島県浪江町と飯舘村を訪れ、目にした光景を曲にした。
 全国的にヒットした復興支援ソング「花は咲く」のアンサーソングでもある。一向に進まない復興状況を憂い、曲に込めた思いを広めようと「花は咲けども」プロジェクトを立ち上げ、この曲を歌って録音した音源を募り「ユーチューブ」で公開してきた。
 タンゴやアカペラ、アコースティック…。国内外の音楽家たちが、さまざまなスタイルで曲を演奏し、英語やエスペラント語の翻訳歌詞でも歌われている。
 グループは昨春、伊達市の仮設住宅で慰問ライブを行った。福島県内での演奏は震災後初めてだった。作詞担当の青木文雄さん(62)は「やっと福島でも歌うことができるようになった。静かな広がりを実感している」と話す。
 メンバー4人のうち2人が農業従事者のため、主に農閑期が活動の中心だ。昨年11月には「花は咲けどもツアー」と称し、東京から山口まで10日間で8カ所を巡った。
 メンバーの一人、遠藤孝太郎さん(63)は「震災から5年以上が経過し、西に行けば行くほど風化を感じる。これからもできるだけ各地に出向き、歌い続けていきたい」と話している。


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2016年07月04日月曜日


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