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<参院選宮城>「福島並み」求め続け

放射線監視装置(モニタリングポスト)が設置された丸森町役場

◎地域の現場から/除染・賠償で格差

 5年前の東京電力福島第1原発事故に伴う放射能汚染の被害が宮城県内で最も深刻だった丸森町。福島県と接しているのにもかかわらず除染や賠償を巡る格差が大きかった。事故の風化がますます懸念される中、参院選宮城選挙区で主要争点にはなっていない。かすむ論戦に町民は納得がいかない表情だ。
 「除染の方法が福島から県境をまたいだ丸森では異なったため、福島並みにするよう環境省に話をさせてもらった」。公示日に丸森入りした民進党現職の桜井充氏(60)は街頭や個人演説会でアピールした。

<屋根洗浄は認めず>
 丸森は福島と空間線量がそう変わらないのに、住宅除染で表土のはぎ取りが認められたのは事故3年後の2014年6月になってからだった。屋根の高圧洗浄は最後まで認められず、町民はことあるごとに「福島並み」を国に求めてきた。
 町内で最も線量が高かった筆甫・川平地区の会社員男性(66)は、14年6月以降に自宅周辺の表土を改めて除去した。
 しかし、たった10メートル先の福島側の民家では表土の入れ替えだけではなく、庭の木の枝まで切ってもらっていた。男性は「国会議員がこの地域のために何かをしてくれたという記憶は一切ない」と言い切る。

<ようやくADRで>
 町が予算を持ち出して11〜12年度に実施した18歳以下の町民の甲状腺検査については、本年度に入ってようやく原子力損害賠償紛争解決センターによる和解仲介手続き(ADR)の和解案に盛り込まれる見通しになった。福島県では同じ甲状腺検査が、全額国負担で行われている。
 選挙戦中盤、自民党現職の熊谷大氏(41)は街頭演説で「まだ風評、風化との闘いが続いている。復興と地方創生を合わせた『復興創生』の実現に向け、放射光施設誘致にめどを付けたい」と訴えた。
 物質の構造を原子レベルで解析する大型放射光施設は町が誘致を進めるが、県が過大な地元負担を理由に戦略を見直していることもあり、先行き不透明だ。
 通り掛かった小学生の息子2人の母親(41)は「長期的な放射能の影響への不安はまだある。十分に検査してほしくても、予算が限られていると聞いたので言いにくい。福島並みにやってくれれば十分なのに」と表情を曇らせた。
 課題を積み残したまま選挙戦は終盤を迎えた。(角田支局・会田正宣)

 ◇宮城選挙区立候補者(1−3)
熊谷 大41党青年局次長 自無現(1)(公・日推)
桜井 充60元財務副大臣 民 現(3)(共・社・生推)
油井哲史36幸福実現党員 諸 新 


2016年07月05日火曜日


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