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<参院選宮城>動き見えぬ農業票 力む各陣営

 10日投開票の参院選でん宮城県内の農業票の行方に注目が集まっている。県農協政治連盟(農政連)が自主投票を選び、環太平洋連携協定(TPP)を推進する与党と距離を取った。表立った野党への支援もなく、動きは見えない。多くの単位農協が論戦を冷静に見極める中、各陣営による争奪戦が熱を帯びる。
 「生産現場には不満と怒りが広がっている」。仙台市青葉区の県農協ビルで6月30日にあった県農協中央会の総会。全会一致で決まったTPPに関する特別決議に政府、与党への厳しい文言が並んだ。
 総会では沿岸部の農協組合長が、全国農業者農政運動組織連盟が比例代表に擁立した組織内候補の自民新人への支援を呼び掛ける場面はあったが、宮城選挙区(改選数1)についての発言はなかった。
 県農政連が自主投票を決めたのは5月中旬。与党への反発に加え、TPP交渉参加の検討を始めたのが旧民主党政権だったため、与野党双方の推薦を見送った。約2カ月かけた意見集約の過程でも態度を明確にした単位農協は少なく、多くが中立の考えを示した。
 「ギラギラした感じはないが、関心が低いわけでもない。見ている人は見ている」。県北部の農協組合長は雰囲気をこう説明し、「統一した動きは取っていないが、安倍政権のTPPや農協改革は強引だという声は根強い」と明かす。
 県央部の組合長は「自主投票というケースはあまりない」と戸惑いをにじませ、「完全に中立。組合員が個人の考えで票を入れることになる」と語った。
 農協グループは長年、自民の支持団体とされてきた。地殻変動の兆しを前に自民は引き留めに躍起だ。
 党本部は現職候補の応援に小泉進次郎党農林部会長や稲田朋美政調会長らを投入。稲田氏は2日、大崎市内で演説し「民進党は農業票を奪おうとしているが、何も守ろうとせずにTPP交渉に入ろうとしたのは旧民主だ」と責め立てた。
 共産、社民、生活の各党がTPP反対を明確にする中、民進は「今回の合意には反対」の文言を公約に盛り込んだ。民進現職は6月29日、登米市内の農協前などで演説し「聖域が守られていないTPPには断固反対だ。戸別所得補償制度を復活させる」と訴えた。


2016年07月05日火曜日


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