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<メガホン>平常心

女子バドミントン日本代表の高橋礼華さん(左)と松友美佐紀さん=2016年6月20日、河北新報社

 高橋が3年、松友が2年の時に出場した2008年のインターハイ。大会直前の練習中、高橋が右足首をねんざした。
 「(床に落ちた)自分の汗ですっ転んでけがをするばかがいるか」
 当時監督で現総監督の田所さんは主将を突き放した。高橋にも「先生は動揺していなかった」と映る。でも、田所さんの内心は違った。
 「団体戦は赤信号、まずいな」。指揮を執る立場として、選手を不安にさせるわけにはいかなかった。
 団体戦は高橋抜きで優勝、シングルスを制した松友と強行出場した高橋が組んだダブルスも頂点に。大黒柱を欠き、田所さんが不安な表情を浮かべたら、選手の心理状態に変化があったかもしれない。
 6月20日、母校であった激励会の後、田所さんは強調した。「周囲は期待してくれるが、自然体でいかないとメダルも取れないのではないか」。直前にあった松友のあいさつを引き合いに「やってきたことしか出せないというのは本音だろう」と付け加えた。
 6年間指導を受けた高橋は「悪い時も想定しながら、前向きに五輪を迎えたい」。準備の大切さ、平常心で臨む精神力の必要性を唱える恩師の心得は、今でもしっかりと根付いている。(剣持雄治)


2016年07月05日火曜日


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