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<参院選1票事始め>票の積み重ねが力に

記載台の前で市職員と打ち合わせをする北山さん(右)=6月25日、黒石市市民文化会館

◎18歳選挙権/青森公立大 北山孝一さん=青森県黒石市=投票立会人務めて実感

 午前8時半から11時間半。わずかな休憩を挟み、パイプ椅子に座って期日前投票を見守った。選挙業務に携わることで1票の大切さを実感し、休憩時間に初めて自らの票を投じた。

<実現性を重視>
 青森公立大1年の北山孝一さん(18)は6月25日、青森県黒石市の投票立会人を務めた。両親から勧められて応募した。「選挙権を得たので、ちょうどいいタイミング」。そう思ったが、投票所に立会人がいることは、この時初めて知った。
 参院選で同市の立会人約80人のうち、未成年は北山さんを含め3人。担当の日、期日前投票所となった市民文化会館では高齢者が目立ち、若者は少なかった。
 投票を前に、各候補者がどんな政策を掲げているかを調べた。「年金制度の若年層の負担軽減、給付型奨学金の充実に関心がある」。口先だけでない、実行可能な訴えを重視した。

<堅実な同世代>
 生まれた1997年、日本経済はバブルの後遺症から抜け出せずにいた。山一証券が自主廃業に追い込まれるなど、企業の倒産や経営破綻が相次いだ。
 その年を代表する漢字は「倒」。景気の良い時代を知らない。
 「右肩下がりの社会で育ち、同世代はみんな堅実。お金の価値、大切さを分かっていると思う」
 受験勉強をしていた昨年、入試に役立つだろうと、なるべくテレビや新聞のニュースに接した。
 関心を持ったのは安全保障関連法の動き。日本を取り巻く国際情勢を見ると法整備は必要と考える。
 「安保法や憲法9条を変えたからといって、戦争になるわけではないと思う」

<将来に不安も>
 大学では経営学を学ぶ。ただ、将来はビジネスに携わるのではなく、地元で公務員になるのが目標だ。大手企業が少ない青森で公務員の安定感は魅力だ。
 簿記の資格取得などに励む一方、ちゃんと就職して家庭を持てるか不安になることもある。
 投開票日の10日、再び立会人になる。18歳選挙権はマスコミが騒ぐほど、友人と話題にならない。
 「自分の1票で政治に影響を与えられるかといえば、それは難しい。だけど、1票1票を積み重ねることで大きな力になると思う」
(青森総局・熊谷吉信)


2016年07月05日火曜日


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