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<参院選山形>TPP巡り票争奪戦

農業票を巡る攻防が激しさを増す山形選挙区。候補者のマイクを握る手にも力が入る=1日、酒田市内

◎奔流乱流1強政治 東北激戦区ルポ(5)

 攻防の主戦場は農村部。全農出身と農水省出身の候補が田園地帯を駆け巡り、農業票の争奪戦を展開する。参院選(10日投開票)山形選挙区(改選数1)の最大争点は、環太平洋連携協定(TPP)への対応だ。

<閣僚と二人三脚>
 新人月野薫を擁する自民は党幹部、閣僚を続々と送り込み、農政を握る与党の力を誇示する。候補者も農業通なら応援弁士も多くは農業通。TPP容認の立場から攻めの農業を説く。
 6月23日、農相森山裕が訪れたのは庄内町。「農業は現場を知っている人が政策を作らないとおかしくなる」と力を込めた。
 大票田の山形市は五輪相遠藤利明(衆院1区)が陣頭に立つ。「山形の農業のために働けるのはこの人だけ」。街頭演説は二人三脚だ。本来なら閣僚として全国を応援行脚しなければならない立場。選挙情勢がそれを許さない。
 「相手候補の背中が大きく見えてきた」。遠藤は運動員を鼓舞する。県連一丸で追い上げを図る構えだが、きしみも生じている。
 「選対が一枚岩になりきれていない」(陣営幹部)。月野擁立に至る候補者公募の決定が、岸宏一が正式に引退表明する前だったことがしこりとなって残る。
 公示2日後の24日、真室川町であった無所属元議員舟山康江の個人演説会。「岸は月野を応援するとは言っていない」。1年前まで岸の事務所長だった本間義衛が壇上で語り、周囲を驚かせた。
 県農業会議会長として一定の影響力を持つ岸。自身は25日、新庄市で月野の応援マイクを握った。だが、本間発言は県連内でくすぶり続ける。

<共闘には腐心も>
 舟山は1日、酒田市の庄内みどり農協駐車場でTPP反対の論陣を張った。「県農協政治連盟(農政連)は自主投票だが、推薦状を出していただき心強い」。演説はお礼から始まった。
 農政連とは異なり、庄内みどり農協は月野、舟山双方に推薦状を出した。与党への配慮とTPP反対の本音。単協の動きからは、したたかさが垣間見える。
 月野とは対照的に、舟山は草の根選挙を実践する。
 「野党統一候補として、どこかの政党幹部を呼べば主導権争いに発展しかねない」と陣営幹部。寄り合い所帯ゆえの苦労がにじむ。
 6月28日、共産党委員長志位和夫が山形駅前で行った演説。「共闘の力を存分に発揮し舟山さんを押し上げようではないか」。声を張り上げた志位の隣に舟山の姿がなかったのも政党、とりわけ共産との距離感に腐心する証拠だ。
 志位が演説を終えた瞬間。見計らっていた舟山の選挙カーが、共産の宣伝カーの前に滑り込んできた。2人は握手することもなく、付かず離れずの関係を保った。
 参院選立候補4回目。培った知名度を生かし先行した舟山は、政党との微妙なバランスを維持しながらラストスパートを懸ける。(敬称略)

 ◇山形選挙区立候補者(1−3)
月野  薫61元会社社長  自 新   (公推)
城取 良太39幸福実現党員 諸 新 
舟山 康江50団体役員   無 元(1)(民・社推)


2016年07月05日火曜日


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