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<参院選争点を歩く>原発政策議論 漂流続ける

原発事故の影響が続く福島選挙区。再稼働を巡る議論は深まっていない=6月25日、伊達市内

◎複雑な事情絡み合う 主張封印も

<一切触れず>
 「下北半島はエネルギー政策の中核を担う場所だ。青森で『もしも(落選)』の事態になれば、反核の候補が当選したというメッセージになりかねない」
 青森選挙区(改選数1)で4選を目指す自民党現職山崎力は6月23日、多くの有権者が使用済み核燃料再処理工場など原子力関連施設で働く六ケ所村に入った。青森市、青森県八戸市では一切触れなかった核燃サイクルを軸とした原子力政策の推進を声高に訴えた。
 東北電力東通原発がある東通村では、応援弁士の自民県議が「争点は脱原発か原発推進かの二者択一」と言い切る一幕も。ただ人口の多いむつ市の演説では、原発推進のフレーズは再び封印された。
 対する民進党新人の田名部匡代は29日、選挙カーで下北半島を回ったが、原発問題には一切触れなかった。取材に対し、田名部は「原子力は大きな争点ではない。争点はアベノミクス、安全保障法制、憲法の三つ」との見方を強調した。
 東日本大震災、東京電力福島第1原発事故後、国策として将来が問われる原子力。自民はエネルギー供給の「ベースロード電源」として安全が確認された原発の再稼働を掲げる一方、民進は「2030年代の原発ゼロ」を打ち出す。

<微妙なずれ>
 論戦の足元では、経済的恩恵を受ける立地自治体とそれ以外とで異なる地域感情、支援を受ける電力関連労組への配慮など、複雑な事情が絡み合う。原発を取り巻く議論は、今回の国政選でも漂流を続ける。
 原発事故に伴い、今も約9万人が県内外に避難するなど、反原発への感情が根深い福島選挙区(改選数1)。与野党両候補の訴えは、所属政党の主張と微妙なずれが生じている。
 「原発の安全神話に漬かってしまったことをおわびする」。旧民主党政権時代に経済産業副大臣を務め、3選を期す民進現職の増子輝彦は25日、福島県伊達市の街頭で、いつもの謝罪から演説を切り出した。
 「福島にとって再稼働推進は到底考えられない」と脱原発を鮮明にする。
 法相で4選を狙う自民現職の岩城光英は26日、福島市であった決起大会で「30年後をめどに福島第1原発の廃炉を実現させる」と力を込めた。
 党県連は福島第2を含め、県内に10ある原発の全基廃炉を掲げるが、それ以上は踏み込まない。岩城も安倍政権が全国で進める再稼働方針などに口を閉ざす。(敬称略)

 ◇青森選挙区立候補者(1−3)
山崎  力69前予算委員長 自 現(3)(公推)
三国 佑貴31幸福実現党員 諸 新
田名部匡代47党県代表代行 民 新   (社推)


 福島選挙区立候補者(1―3)
岩城 光英66法相     自細現(3)(公推)
矢内 筆勝54幸福実現党員 諸 新
増子 輝彦68元経産副大臣 民 現(2)(社推)


2016年07月05日火曜日


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