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<参院選宮城>震災の陰で届かぬ声

崩れたままの吉田川護岸の状況を説明する吉川さん

◎地域の現場から/手付かずの豪雨復旧

 宮城県北部の広範囲を襲った昨年9月の宮城豪雨は、国による災害査定で公共土木施設の被害が160億円に上り、豪雨災害としては1986年の「8.5豪雨」の260億円に次ぐ規模となった。

<護岸 今も無残な姿>
 「焦りを感じる」。大和町吉田の高田地区で行政区長を務める吉川正憲さん(68)が、被災から約10カ月がたってもなお濁流にえぐられた姿のままの吉田川の護岸を指さし、深くため息をついた。
 豪雨被害を受け、国土交通省東北地方整備局は2015年度補正予算に防災対策費として271億円を計上。県も災害復旧関連費85億円を確保した。
 しかし、復旧工事は遅々として進んでいない。東日本大震災からの復旧・復興事業が優先され、中には工事の発注に業者から応札がないケースもある。「十分な対応ができているとは言い難い」(県仙台土木事務所)のが現状だ。
 吉川さんは参院選公示前日の6月21日、地区住民らとともに吉田川水害対策協議会を設立し、会長に就いた。「行政の努力は感じるが、遅い。政治の力を働かせてほしい」と訴える。

<具体性欠いた訴え>
 昨年9月10日夜から11日未明にかけて相次いだ河川の氾濫で、栗原市内では川からあふれた水に流されて2人が死亡した。
 公示後、被災地入りした宮城選挙区の両現職陣営は災害復旧や治水対策に言及したが、いずれも「しっかり取り組みたい」「必要な事業はやる」などと具体性を欠く約束ばかりだった。
 住宅の浸水被害を受けた同市鶯沢駒場下地区で、当時自治会長を務めていた佐藤一男さん(72)はつぶやく。「小さな集落と国政との間には埋めがたい距離があるように感じる。票にならないからだろうか」
 渋井川の堤防決壊などによって695棟が一部破損または床上床下浸水し、住家被害が最も大きかった大崎市。
 市幹部は「国土強靱(きょうじん)化など政治に対する市民の期待は大きい」と前置きした上で「大規模災害のたびに法律は強化されてきたが、水害の捉え方や乗用車の補償など制度にはまだ隙間がある。現場の実態に関心を持ってもらいたい」と注文を付けた。(大崎総局・野村哲郎、泉支局・北條哲広、栗原支局・土屋聡史)

 ◇宮城選挙区立候補者(1−3)
熊谷 大41党青年局次長 自無現(1)(公・日推)
桜井 充60元財務副大臣 民 現(3)(共・社・生推)
油井哲史36幸福実現党員 諸 新 


2016年07月06日水曜日


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