秋田のニュース

<参院選秋田>農業票獲得へ大物投入

農業が重要課題となっている秋田選挙区の演説会で拍手を送る支持者ら=秋田市内

 自民党現職の石井浩郎氏(52)と民進党元議員の松浦大悟氏(46)が激戦を繰り広げる参院選秋田選挙区(改選数1)で、農業票を巡る両陣営の攻防が激しさを増している。環太平洋連携協定(TPP)への不安払拭(ふっしょく)に懸命な石井氏に対し、松浦氏はTPPの国会批准反対を掲げる。両陣営は大物弁士を呼ぶなどして票の獲得に懸命だが、生産現場から「農業の未来像を明示してくれる候補がいない」との嘆きが聞こえる。
 「TPPでコメの値段が下がると言う人がいるが、主食米の値段が下がることはありえない」。森山裕農相は2日、秋田県三種町の農協施設でそう強調した。
 森山氏は「輸入するのと同量の国産米を備蓄米にするので、全体の流通量は増えない」と説明し、農協関係者の不安を一蹴した。
 県内の実情に触れ、「園芸作物のメガ団地を造るなど、コメの単一生産から方向転換の動きがある。アスパラガスや枝豆など誇れる物がたくさんある」と述べ、「秋田の農業は明るい」と持ち上げた。
 一方、民進党の岡田克也代表は6月30日、秋田市郊外で農業者と向き合った。「農協の会議でTPPが話題となった。選挙のたびに農政が変わる」「農業従事者は高齢者ばかりだ」など、相次ぐ不満の声に耳を傾けた。
 岡田代表は「TPPでは、交渉に関する情報を政府に出してもらうよう要望している」と説明。「政府は飼料米生産を進めているが、主食米から転換するには補助金が必要になる。その資金はどこから出るのか」と与党の農政を批判した。
 同じ日、県農協中央会は通常総会を開き、TPPに関する特別決議を採択した。
 中央会は3月、TPPの影響で県の農業生産額が最大287億円減少するとの試算を外部有識者に依頼して算出。特別決議では、コメに影響がないとする政府試算に「疑問の声が多く寄せられている」とし、生産者の不安払拭に向けて農政運動の継続、強化に取り組むことを盛り込んだ。
 TPPへの不安を受け、県農協政治連盟は参院選での特定候補への推薦を見送った。「戸別所得補償の復活」を訴え、農業票を取り込む好機と見る松浦氏。「強い農業への転換」を強調し、票の流出を防ごうとする石井氏。だが生産現場には「与野党ともに秋田の農業の未来像を示してくれない」との不満がくすぶる。
 県南のある農協幹部は、そんな声を代弁するかのように言う。「自主投票になっても、そもそも票を投じたい人がいない」
 秋田選挙区には幸福実現党新人の西野晃氏(39)も立候補している。


2016年07月06日水曜日


先頭に戻る