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<参院選福島>復興焦点に最終盤へ

激戦のまま最終盤を迎える福島選挙区。陣営関係者が集会で気勢を上げた=3日夜、いわき市

◎奔流乱流1強政治 東北激戦区ルポ(6完)

 原発事故被災地での閣僚落選は政権の沽券(こけん)に関わる。勝利が至上命令の自民が議席死守へ総力を挙げる。
 「復興の加速化を止めるわけにいかない。支援をお願いします」。3日夜、地元のいわき市であった集会。現職岩城光英は「お願いします」を4度繰り返した。

<首相から「直電」>
 改選数が2から1に減った福島選挙区。4選を目指す現職法相は過去3回いずれも2位当選で、当初から厳しい戦いが予想された。
 大小合わせ140に上る業界団体による選対本部を初めて設置。党幹部は県選出国会議員らに対し、結果次第では次期衆院選での公認を外すことまでにおわせ、ハッパを掛けた。
 陣営は全県で500カ所以上の集会開催を目指し、団体や企業関係者に動員をかける。「参院選でこんなに動いたことはない」とベテラン県議は明かす。
 いわき市での集会前、郡山市で開いた選対会議。党総裁特別補佐下村博文は「5月時点では相当離されていたがようやく並んだ。福島は党本部が絞った重点区に残った。必ず勝つ選挙にする」と鼓舞した。
 「岩城をよろしく頼む」。後援会幹部や首長の携帯電話には首相安倍晋三の「直電」が入る。安倍自らも7日、6月以降3回目の福島入りをし、最終盤で抜け出そうと勝負を懸ける。

<対抗心むき出し>
 「このまま安倍政権に福島復興を任せていいのか。向こうは大臣が落ちれば復興予算を減らすと言っているらしい。やれるならやってみろ」
 3日に本宮市であった民進現職増子輝彦の演説会。衆院議員を3期務め、今回3選を狙う野党統一候補は、対抗心をむき出しにして自公政権の復興に対する熱意に疑問を投げ掛けた。
 自民は東京電力福島第1原発の炉心溶融(メルトダウン)問題に絡め、民進の政権担当能力を批判し、応援に閣僚級も連日投入する。増子陣営の危機感はいやが上にも高まる。
 増子は3日の演説で、福島第2原発を含む県内原発の全基廃炉を語らない相手候補を攻める戦略を展開した。「(原発再稼働を目指す)内閣の意向に沿った発言しかできない。福島に寄り添っていない」と叫んだ。
 「もう理屈抜き、党派も関係ない。郡山、中通りから議員を出そうと声を掛けてほしい」。党選対委員長玄葉光一郎(衆院福島3区)は1日、増子の地盤、郡山市の集会でそう訴え、「地元圧勝」を勝利への最大のポイントに掲げた。
 当初ぎこちなかった野党共闘は一体感を増してきた。同日の集会では、共産と距離を置く連合福島の会長今泉裕と共産県議が壇上で隣り合わせに座った。
 「福島での勝利は10選挙区分の価値がある。相手はもはや法務大臣ではない。安倍総理だ。相手に不足はない」と増子。相手陣営の攻撃に結束力を強め、最後の力を絞る。(敬称略)

 ◇福島選挙区立候補者(1―3)
岩城 光英66 自現(3)(公推)
矢内 筆勝54 諸新 
増子 輝彦68 民現(2)(社推)


2016年07月06日水曜日


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