山形のニュース

<参院選1票事始め>貧困家庭 教育支援を

教室で子どもたちに勉強を教える伊藤さん(左)と嶋貫さん

◎18歳選挙権/山形大1年 伊藤俊也さん、嶋貫岬さん 週1回無料で勉強指導

 「1番長いのって何時代だっけ」「年表で確認してみよう」

<笑顔やりがい>
 参院選公示後、初の週末となった6月25日の午後。山形大の伊藤俊也さん(19)=人文学部1年=と嶋貫岬さん(19)=理学部1年=は、山形市の県総合社会福祉センターの一室で子どもたちと向き合っていた。
 2人は山形大のボランティア団体「学び場プラス」(約30人)のメンバー。週1回、経済的に苦しい家庭の子どもたちに無料で勉強を教えている。
 「分からない時に意思表示をしてくれない子もいるから難しい」。新米の「先生」たちは苦笑する。
 教え方や子どもたちとのコミュニケーションの取り方はまだ習得中だ。
 定期的に通うのは小学4年〜高校2年の約15人。大人よりも年齢が近い大学生と触れ合える教室は、子どもたちの居場所でもある。
 母子家庭や兄弟が多い家…。「服は3着。よそ行きがない」。ふとした言葉から、家計の厳しさが垣間見える。
 集まるのは、学ぶのが好きな子どもたちばかり。「問題が解けたら素直に喜ぶし、間違ったらすごく悔しがる」。できた時に子どもたちが見せる笑顔が何よりのやりがいだ。
 生活保護基準以下の収入で暮らす子育て世帯の割合は2012年、全国で13.8%。この20年で倍増した。山形県は12%だが、6倍にまで増えた。山形大人文学部の戸室健作准教授が調査した。

<政治には期待>
 「教員志望なので」(伊藤さん)
 「楽しそうなボランティアだから」(嶋貫さん)
 2人とも貧困問題に関心があって始めたわけではない。だからこそ、経済格差が教育格差を生む現実を目の当たりにして思う。
 「行政が予算を付け、自分たちのような活動に取り組んでくれたらいいのに」と伊藤さん。
 嶋貫さんは「仕事に見合った報酬がきちんと支払われたら、家計を考え我慢している子たちも塾に行けるようになるかもしれない」と考える。
 参院選後半。テレビや新聞で、政党や候補者の訴えに頻繁に接するようになった。
 「本当に社会を変える気があるのかな」と議員を見ていて思うこともある。それでも「政治に期待はしたい」と口をそろえる。
 自分たちの1票が変化につながるようにと願いを込め、投票所に足を運ぶつもりだという。(山形総局・阿部萌)


2016年07月07日木曜日


先頭に戻る