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<原発事故>再生託す菜種 5度目の収穫

転作田に実った菜種を刈り取る農家

 東京電力福島第1原発事故とその後の根強い風評からの農業再生を懸け、福島県南相馬市の農家グループが栽培に取り組む菜種が5度目の収穫期を迎えている。風評で期待が持てなくなったコメに代わり、地元農家が未来への希望を託す作物。収穫作業は今週末まで続く。
 菜種畑は避難指示区域の小高区を含む計42ヘクタール。2011年秋に栽培を始めた原町区太田地区の農業杉内清繁さん(65)ら12個人・団体が結成した南相馬農地再生協議会が中心となり、畑を拡大してきた。
 メンバーは6月下旬から作業を進め、現在は太田の転作田で茶色いさやに詰まった菜種を刈り取っている。収穫量は昨年の3倍近い約25トンに達する見通しだ。
 同協議会が収穫した菜種から油を搾り、14年秋に売り出した食用油「油菜(ゆな)ちゃん」を製造するほか、5トン分を英国の化粧品・バス用品メーカー、LUSH(ラッシュ)に販売する。同社は今年3月、協議会が栽培、収穫した菜種油を原料にしたせっけん「つながるオモイ」を商品化し、販売を続けている。
 杉内さんは14年2月、ウクライナのチェルノブイリ原発事故の被災地周辺で盛んな菜種栽培を視察。「土に残存する微量の放射性物質も油には移行しない」との実証結果を確かめた。
 「菜種は風評を乗り越えて、地域の農業を再生する希望の種。来年の栽培面積は50ヘクタールを超える見込みだ。100ヘクタールを目標に仲間の農家を増やしたい」と話す。


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2016年07月07日木曜日


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