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<参院選宮城>展望見えぬ農政転換

水田が広がる農村部。農政の大転換に揺れる=涌谷町

◎地域の現場から/揺れるコメ農業

 二つの農政転換が、主食用米から飼料用米への転作を加速化させる。

<主食米より飼料米>
 「人間より、牛が食べるコメを優先して作る時代になるとは…」。宮城県加美町宮崎地区の有限会社赤坂開発の畠山伸一さん(61)が苦笑する。同社が耕す農地約16ヘクタールは飼料米が約6.5ヘクタールを占め、主食米は約2.5ヘクタールにとどまる。
 政府は飼料米への転換を推し進める。安倍政権が打ち出した2018年からのコメの生産調整(減反)廃止を見据えた政策だ。
 コメが自由に作れるようになり、生産量が増えれば米価は下落する。15年産米の概算金はひとめぼれ(60キロ、1等米)が1万円。過去最低だった14年産(8400円)に比べ持ち直したが、米価低迷が続く。
 国はこれまで10アール当たり8万円だった飼料米の転作補助金を最大10万5000円に引き上げた。同時に従来は作付面積に応じた固定制だったのを、収量で変動する数量払いに変更。一定の収量が確保できなければ5万5000円まで下がってしまう。
 畠山さんは「町内でも気候差があり、10俵(1俵60キロ)取れる地域もある一方でこっちは8俵どまり」と嘆く。米価は下がり、民主党政権(当時)がコメの戸別所得補償として創設した直接支払い交付金も18年度に廃止される。「転作補助金もどこまで続くか見えないが、それでも飼料米に頼らざるを得ない」と言う。

<TPPが追い打ち>
 農政のもう一つの大転換が、環太平洋連携協定(TPP)だ。米、オーストラリア両国産のコメを無関税で輸入する枠が新設される見通しで、安い外国産米との激しい価格競争が懸念される。
 選挙期間中、参院選宮城選挙区の両現職はTPPに言及した。自民党の熊谷大氏(41)は色麻町で「輸入量に相当する国産米を備蓄米として買い入れ、全力でカバーする」と強調。民進党の桜井充氏(60)は大崎市田尻で「TPP反対。農業が壊滅的打撃を受け地域が崩壊する」と主張した。
 同市田尻大貫の専業農家高梨功喜さん(62)は「コメの需給のバランスをどう取るつもりなのか。農政の長期的展望が見えず、このままでは地域の農業が駄目になり、耕作放棄地が増えるだけだ」と危機感をあらわにする。(加美支局・馬場崇、小牛田支局・矢嶋哲也)

 ◇宮城選挙区立候補者(1−3)
熊谷 大41党青年局次長 自無現(1)(公・日推)
桜井 充60元財務副大臣 民 現(3)(共・社・生推)
油井哲史36幸福実現党員 諸 新 


2016年07月08日金曜日


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