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<楽天スカウト日誌>粒ぞろい大学生投手

長島哲郎氏

 12日から新潟市などで開かれる日米大学野球選手権に向け、6月17〜19日に神奈川県であった日本代表選手の選考合宿を視察しました。全国各地から50人が参加し、紅白戦を中心とした選考が行われました。6月の全日本大学野球選手権に出場できなかった大学の選手もおり、私たちスカウトにとって貴重な3日間となりました。

◎長島哲郎スカウト部長

 今年のドラフト会議の候補となる大学4年生は投手に好素材が多いです。注目したのは代表メンバーに選ばれた柳裕也(明大)佐々木千隼(桜美林大)の両投手ら野手も含めて十数人ほど。紅白戦の結果はあまり気にせず、投手であれば球筋やマウンドさばき、投内連係の動きを確認します。もちろん能力だけでなく、将来的な伸びしろや雰囲気にも目を光らせます。
 昨夏のユニバーシアード前のプロ野球選手を相手にした壮行試合で、7者連続三振を奪った速球派右腕の田中正義投手(創価大)は右肩の故障のため、選考合宿に不参加でした。それでもドラフト会議の目玉として各球団が注目する選手の一人でしょう。春のリーグ戦はけがでほとんど登板していないため、秋のリーグ戦までの期間は対外試合や練習を見るなど状況把握に努めます。たとえ好素材であっても故障のある選手は、しっかり見極めないといけません。
 大学生の選手は高校生と違い、自分で考えて練習できるかが重要です。そうでなければプロの世界で生き残れません。今季ドラフト3位で早大から入団した茂木栄五郎内野手は、まさにこの点がしっかりできていました。昨年に続き8月には、東北楽天の2軍と東京六大学リーグの早大など幾つかの大学と練習試合を行います。昔に比べるとプロとアマの垣根が低くなってきました。プロを目指す選手にとっていい機会になると思います。
 昨年のドラフト会議はセンターラインの強化という方針で、野手中心の指名になりました。新人のオコエ瑠偉外野手や茂木、足立祐一捕手が1軍で出場していますが、継続して強いチームをつくるためには目先だけでなく、チームの戦力バランスを踏まえ、先も見据えた選手獲得が必要です。
 オコエのように、高校3年夏の甲子園大会で一気に株を上げる選手もいます。夏から秋にかけて、各スカウトは気になる選手の元にこまめに足を運ぶ日々が続きます。

●長島哲郎(ながしま・てつろう)宮城県女川町生まれ。東北福祉大出。仙台育英高では書道部に所属、大学入学後に本格的に野球を始める。83年にドラフト3位でロッテに入団。東北の大学球界からのプロ入り第1号で投手だった。88年に引退し、ロッテ球団職員を経て05年に東北楽天入り。14年12月から現職。56歳。


2016年07月08日金曜日


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