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<参院選山形>決戦後に思惑 県都攻防激化

自民新人候補の演説会で握手をする五輪相遠藤(左)と山形市長佐藤=6日、山形市中野の大郷コミュニティーセンター

 参院選(10日投開票)の山形選挙区(改選数1)で議席を争う自民党新人、無所属元議員の両陣営が終盤、大票田・山形市を舞台に攻防を繰り広げている。当落の鍵を握るのはもちろんだが、県都の開票結果が県政界の今後の主導権争いに直結するからだ。情勢に危機感を強める自民では五輪相でもある県連会長遠藤利明(衆院山形1区)が自らのメンツを懸け、地盤を必死に駆け回る。県政界関係者の視野には来年の知事選や次の山形市長選も入る。参院選を舞台にしたもう一つの戦いを追った。
 「地元の選挙に負けたら何をやっていたんだと言われる」。6日夜、山形市であった自民新人の演説会。壇上で支持を訴える遠藤に焦燥感が漂う。
 「お膝元の山形市で大敗するようなことがあれば、面目は丸つぶれ」と県連幹部。下手をすれば県連会長の責任問題にも発展しかねない。
 現職岸宏一の引退正式発表前に、遠藤が主導して決めた候補者公募は岸の不興を買い、遠藤を苦境に立たせた。
 公示前の6月9日。山形に入った首相安倍晋三は一連の経緯を懸念し、岸に謝罪するよう進言した。
 5日後、遠藤が東京の料理屋で岸に協力を求めたのも「情勢を知った首相から相当ねじを巻かれたからだ」(複数の選対関係者)。
 背水の陣の遠藤を後方支援するのは山形市長佐藤孝弘。昨年9月の山形市長選では自民、公明などの推薦を得て半世紀ぶりの保守系市長の座に就いた。佐藤擁立の立役者が遠藤であり「2人は師弟関係」(自民党県連幹事長金沢忠一)だ。
 公示第一声。佐藤は遠藤の横で応援マイクを握った。その後も候補者の選挙カーで市内を一巡したり、率先して企業を回ったりするほどの力の入れようだ。
 そんな佐藤の姿を、自民党市議は「昨年の市長選はわずか1773票差。次回へ向け、自らの地盤を固めなければならない事情がある」と解説する。
 来年2月任期満了の知事選への思惑もちらつく。
 野党統一候補でもある無所属元議員を担ぐ民進、社民、連合山形と共産の陣立ては2009年、知事吉村美栄子が当時の現職を破り、初当選した時と同じだ。
 13年の前回知事選。吉村は54年ぶりの無投票で再選を果たした。「この布陣で大差で勝てば今回も自民を抱き込める」と連合山形会長岡田新一。「あわよくば再度の知事選無投票も」。そんな期待も抱く。
 参院選候補者の無所属元議員は13年の前回参院選で敗れたとはいえ、山形市で自民新人候補の得票を1545上回った。
 「今回はさらに差を広げ、知事選を有利に進める」。選対幹部はそんなシナリオを思い描き、最終盤の勢力を県都に傾注する。(敬称略)

 ◇山形選挙区立候補者(1―3)
月野  薫61 元会社社長  自 新(公推)
城取 良太39 幸福実現党員 諸 新 
舟山 康江50 団体役員   無 元(1)(民・社推)


2016年07月08日金曜日


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