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元ベガルタ財前さん指導に熱 仙台でスクール

声を掛けながら子どもたちを鼓舞する財前さん=仙台市の屋内フットサル・テニスコート「リベラ鶴巻」

 J1仙台などでプレーした財前宣之さん(39)が今春、仙台の強化・育成部のスクールコーチから独立し、仙台で小学生向けのサッカースクールを開設した。3度の前十字靱帯(じんたい)断裂という大けがを乗り越え、国内外で「完全燃焼できた」と言う選手時代。豊富な経験を生かし、次世代を担う選手の育成に情熱を注ぐ。
 「勝負、勝負」。屋内フットサルコートに財前さんの掛け声が響き、児童が懸命にボールを追う。開設したのは「ZAIZEN FOOTBALL SCHOOL(ザイゼン・フットボールスクール)」。Jクラブのジュニアチーム(小学生)、ジュニアユースチーム(中学生15歳以下)入りを目指す子どもが主な対象で、他に未就学児クラスなどもある。
 仙台の強化・育成部の元同僚と2人で「世界レベル」を掲げた特別育成プログラムを組み、サッカーに必要な技術や動作、身体バランス、精神面などを伝授。「自分も世界トップのプレーを間近で見て成長した。どんどん技術を盗んでほしい」と鋭いドリブルを見せ直接指導する。
 さまざまなセレクションを受け、海外クラブに所属した経験から「ボールを取られたり、シュートを外したりすることを怖いと思っては駄目。強い気持ちがなければプレーできない」と精神の重要性を痛感する。
 年代別の日本代表に選ばれて活躍した後、欧州のクラブや仙台で脚のけがに見舞われた。当時を「脳は育ったが、体が追い付かなかった。プロ入り後の4年はほとんどリハビリ。そこから体を鍛え直した」と振り返り、こう言う。「上も下も見てきたからこそ説得力を持つ。自分の魂が子供たちの胸に染みるようなスクールにしたい」
 引退時、他クラブから指導者として、オファーがあったが、古巣に恩返しをしようと仙台に戻った。スクールコーチなどを4年務めたが「先を考えたら、このままでいいのかと思ったし、自分の色も出したかった」と、独立に踏み切った。
 引退後の人生設計は、どのプロ選手にも共通する課題だ。「自分が成功すればセカンドキャリアの手伝いも助言もできる。だから、何としても成功したい」と勝負を懸ける。(宮田建)

<ざいぜん・のぶゆき> 1976年、北海道生まれ。読売ユースを経てV川崎(現J2東京V)に入団。93年U−17(17歳以下)世界選手権で日本代表のメンバーとして8強入りし、ベストイレブンに選出。クロアチア1部のHNKリエカから99年仙台入り。2006年にJ2山形に移籍し4季プレーした後、タイのチームを経て11年に引退。主に攻撃的MFで活躍した。


2016年07月10日日曜日


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