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<高校野球福島>双葉高 最後の夏燃焼

試合後、双葉高の生徒らにあいさつする(左から)松本君、及川君、渡辺さん

 東京電力福島第1原発事故の影響で、本年度限りで休校となる福島県双葉高の野球部が9日、相馬農高、新地高との連合チームで全国高校野球選手権福島大会の初戦に臨み、安達高に0−5で敗れた。夏の甲子園3度出場の伝統校も、最後の夏は選手2人、マネジャー1人。開成山野球場(郡山市)のスタンドを埋めた生徒や卒業生、野球部OBらが、戦い抜いた3人を大きな拍手でたたえる中、90年を超す野球部の歴史に区切りの幕が下りた。

 双葉高の松本瑠二君(18)は6番捕手で先発。外野手の及川彰大君(17)は九回に代打で四球を選んだ。マネジャーの渡辺陽奈さん(17)はベンチでスコアをつけながら、声を出して選手の背中を押した。
 試合は六回まで0−1の息詰まる展開だったが、終盤に突き放された。連合チームは八回に2死満塁と攻め立て、九回には双葉高の2人が出塁。松本君が盗塁を決めるなど、伝統の緑のロゴのユニホームが躍動したが、及ばなかった。
 松本君は5月の練習試合で左足の小指を骨折。完治しないまま強行出場した。「双葉高に入り、連合チームの仲間と試合ができて本当に良かった。一丸となって全力を出し切った今日の試合は人生の宝物。完全燃焼できた」
 一塁コーチャーを務め、仲間を鼓舞し続けた及川君は「先発出場できず、試合に敗れ、悔しい気持ちはあるが、瑠二(松本君)と一緒にやり切った」。練習で外野を守るなど「選手兼任」で2人を支えた渡辺さんは「チームのみんながいいプレーをした。最後にふさわしい活躍ができたと思う」と目を腫らした。
 試合後、3人が連合チームの仲間と整列し、スタンドに一礼すると「よくやった」「ありがとう」と声が飛んだ。鵜沼良延監督(25)は「全員がベストを尽くし、ナイスゲームで締めくくってくれた」と話した。


2016年07月10日日曜日


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